浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0012A01: | り。さがりの如くにして。あとさきなく。只一時なり。 |
Z14_0012A02: | 因て天台大師は。臨終在レ定之心。卽是淨土受レ生之心。 |
Z14_0012A03: | 動レ念卽是生二淨土一時と。釋し玉へり。此文。心得やす |
Z14_0012A04: | きやうにて。人のとくとゑ合點せぬ文なり。此意は。 |
Z14_0012A05: | 人の死ぬるは。定心にては。死なぬものなり。それゆ |
Z14_0012A06: | へ。念佛を申し入たる定心にては。いつまでも死な |
Z14_0012A07: | ず。其念佛の定心を。動ずれば。死ぬるなり。因て念を |
Z14_0012A08: | 動ずるが。卽ち淨土に生ずる時と。釋し玉へり。如レ是 |
Z14_0012A09: | 我心が彌陀。彌陀が卽ち我心にして。三諦法界なりと |
Z14_0012A10: | 云ことを。しづのをだまき。くりかへし〱て。思ふ |
Z14_0012A11: | べきことなり。然るに同じことばかりは。思ひにくき |
Z14_0012A12: | ものなるほどに。極樂往生につきたることをば。折々 |
Z14_0012A13: | はとりまぜて思ふも。苦しからぬことなり。此念佛の |
Z14_0012A14: | 功德にては。過去の一切の罪がほろび。未來の一切の |
Z14_0012A15: | 罪もほろぴ。現在の諸のつみとがも滅す。難レ有こと |
Z14_0012A16: | と思ひ。此念佛にて。臨終に決定往生を。とぐるやう |
Z14_0012A17: | にと。彌陀をたのみ奉れば。彌陀の悲願は。念々に我 |
Z14_0012B01: | 心に薰じ。我念佛は。念々に彌陀の悲願をたゝき。淨 |
Z14_0012B02: | 業決定して。三尊の來迎にあづかりて。觀音の蓮臺 |
Z14_0012B03: | に。打のらんこと。難レ有ことに非ずや。極樂に生して |
Z14_0012B04: | は。寶の池の。此方にて見なれぬ。四色の蓮華。靑色靑 |
Z14_0012B05: | 光。黃色黃光。赤色赤光。白色白光の蓮を詠めば。かぎ |
Z14_0012B06: | りなく難レ有。面白かるべし。七重行樹の中をあるか |
Z14_0012B07: | ば。此界の野邊。山邊の風景とは。百千萬倍ちがへば。 |
Z14_0012B08: | 大いなる氣轉じにて。自ら一心三觀の智慧も。朗らか |
Z14_0012B09: | ならんと。難レ有思ふべし。かやうに。淨土の色々のこ |
Z14_0012B10: | とを思ふも。皆悉く三諦法界の理にして。一心三觀の |
Z14_0012B11: | 勤めなりと。安心するが。卽心念佛の安心決定なり。 |
Z14_0012B12: | 卽心念佛は往生無生なる事 |
Z14_0012B13: | 卽心念佛を務むる人は。極樂へ往生すれども。往生卽 |
Z14_0012B14: | ち無生なり。因て幽溪無盡大師は。淨土生無生論を。 |
Z14_0012B15: | 著玉へり。往生無生の義を。心得るに就ては。先佛法 |
Z14_0012B16: | の至極の道理は。法性無生なり。無生を。亦は寂滅相 |
Z14_0012B17: | とも名づけ。亦は不生不滅とも名付るなり。因て維摩 |