浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0011A01: | ものを能合點して。性惡は。法性の惡なれば。惡が。卽 |
Z14_0011A02: | ち法性にして。三諦法界なることを。能平生明らめ得 |
Z14_0011A03: | て。居られしゆへ。妄心妄佛。卽ち性惡と。一念照す處 |
Z14_0011A04: | に。三觀が自ら明らかにして。卽空卽假卽中と。觀じ |
Z14_0011A05: | 運ぶに及ばぬなり。此處。一大事なり。此ほどにゆく |
Z14_0011A06: | 事は。なり難き事なれども。心がけによつて。なるま |
Z14_0011A07: | じき事にてもなきなり。上に云通りに。ゆかぬ人は。 |
Z14_0011A08: | かやうに思ふべし。其思ひやうは。我心が法界なり。 |
Z14_0011A09: | 阿彌陀如來も法界なれば。能念の心の外に所念の佛 |
Z14_0011A10: | なく。所念の佛の外に能念の心なし。能所がなけれ |
Z14_0011A11: | ば。卽空法界なり。ともに法界なれば。彌陀も三千具 |
Z14_0011A12: | 足。我心も三千具足。各具し互ひに融じたる體なれ |
Z14_0011A13: | ば。卽假なり。卽假の義あり。卽空の義あるは。其體 |
Z14_0011A14: | 性。空に非ず。假に非ざる中道法界の體なるゆへな |
Z14_0011A15: | り。如レ此一念の念佛の處に。三諦圓融せりと。思ふべ |
Z14_0011A16: | し。三諦の理の。明らかならぬ人にても。とかく我心 |
Z14_0011A17: | が法界なれば。西方の彌陀は。我心の內の彌陀なり。 |
Z14_0011B01: | 我は。彌陀の心の內の衆生なりと。思ふて。念佛する |
Z14_0011B02: | がよきなり。此念佛の功積らば。次第に三諦の理が。 |
Z14_0011B03: | 明らかになるべし。此分は。學問せぬ人も。なるほど |
Z14_0011B04: | 覺へ易きこと。心得易きことなれば。天台宗の念佛申 |
Z14_0011B05: | しは。必ず此意にて。申すべし。卽心念佛の安心決定。 |
Z14_0011B06: | 此外にはなきことなり。此安心に。淺きあり。深きあ |
Z14_0011B07: | り。暗きあり。明らかなるあるは。又なるほどあるこ |
Z14_0011B08: | となり。是心作佛。是心是佛の文の上に。諸佛如來。是 |
Z14_0011B09: | 法界身。入二一切衆生心想中一と。說せ玉へり。佛の身は |
Z14_0011B10: | 法界なれば。一切衆生の心想の中に入玉ふ。心と。佛 |
Z14_0011B11: | と。衆生との三は。其體差別なきゆへ。一切衆生の身 |
Z14_0011B12: | も。法界身にして。十方の諸佛の心の中に入てをるな |
Z14_0011B13: | り。我等が心も。法界心にして。十方の諸佛。彌陀。觀 |
Z14_0011B14: | 音の心の中に入てをるなり。然れば。此意を知て。念 |
Z14_0011B15: | 佛申す人は。此界にありながら。極樂に往生してをる |
Z14_0011B16: | なり。臨終の時。息のたゆる時が。卽ち極樂往生の極 |
Z14_0011B17: | りなり。此を去と。彼に生ずるとは。はかりの。あが |