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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0010A01: かに聞ものが。不生不滅なりと示さる。なるほど。其
Z14_0010A02: 體が。不生不滅にてはあれども。それは。犬にも猫に
Z14_0010A03: もある不生不滅にて。人の心の不生不滅には非ず。人
Z14_0010A04: の心と云は。體能義讓。卽人道心と釋して。仁義禮智
Z14_0010A05: の心が。人の心なり。其體が。不生不滅なるものなり。
Z14_0010A06: 孟子に。無惻隱之心人也。無羞惡之心人也。無
Z14_0010A07: 辭讓之心人也。無是非之心人也と云て。物を
Z14_0010A08: あわれみいたむ心なきは。人に非ず。はぢにくむ心な
Z14_0010A09: きも。人に非ず。辭退しゆづる心なきも。人に非ず。是
Z14_0010A10: 非を分つ心なきも。人に非す。此は是此は非と能分つ
Z14_0010A11: が。人の心なり。あらそひかつ心なく。人に讓りじぎ
Z14_0010A12: するが人の心なり。此はせまひ事。此はきたなひ事と
Z14_0010A13: はぢにくむが。人の心なり。一切の物をあわれみて。
Z14_0010A14: 少しもむごひ心のなきが。人の心なり。此心を。儒者
Z14_0010A15: には。四端と云。仁義禮智の本と云なり。佛家にては。
Z14_0010A16: 不殺。不盜。不婬。不妄語の。四戒の意なり。此心を推
Z14_0010A17: し立。推ひろめ。此念を失なわず。そだて守るが。念佛
Z14_0010B01: 申しの手前。腰のすゑやうなり。念佛さへ申せば。心
Z14_0010B02: はきたなくても。惡を作りても。不苦と云樣なるこ
Z14_0010B03: とは。なきことなり。右云が如く。卽心念佛の。手前を
Z14_0010B04: たしなみ。腰を能すゑて。其上に勤むる。卽心念佛の
Z14_0010B05: 申し樣は。段々あることなり。めん〱の。力次第な
Z14_0010B06: り。藕益大師は。將平日觀心得力處。融入持經念佛
Z14_0010B07: との玉へり。平生一心三諦。一心三觀のことを。能明
Z14_0010B08: らめ得たる人は。何の造作もなく。南無阿彌陀佛と申
Z14_0010B09: す處に。一心三觀が。あきらかなり。此は。上々の卽心
Z14_0010B10: 念佛者なり。我先師の玉へるは。卽心念佛。其要唯在
Z14_0010B11: 修惡卽性惡也と。此意は。我等が妄心が。法界に徧じ
Z14_0010B12: たるものなれば。十萬億土の極樂も。彌陀。觀音も。我
Z14_0010B13: 妄心を離れず。故に極樂の依報。正報が。卽ち我妄心
Z14_0010B14: なり。我妄心が。卽ち彌陀の依正なり。我妄心。彌陀の
Z14_0010B15: 妄境が。卽ち性惡なれば。妄の當體が。三諦法界なり。
Z14_0010B16: かく照すは。三觀なり。それゆへ。卽心念佛の要は。修
Z14_0010B17: 惡卽性惡に在と。の玉へり。如此の玉ふは。性惡と云

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