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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0009A01: 離れずと見れども。事の念佛申しの方よりは。左樣に
Z14_0009A02: はゑ云ぬなり。因て法然上人は。唐土吾朝の。諸の智
Z14_0009A03: 者達の。沙汰し申さるゝ。觀念の念にも非ず。又念の
Z14_0009A04: 意を。悟りて申す。念佛にも非ずと。拂ひ玉へり。親
Z14_0009A05: は子の事を。善惡につけて。能く思へども。子はわる
Z14_0009A06: くすれば。親の事を。思はぬが如し。天台宗の意から
Z14_0009A07: は諸宗の淺さ。深さ。高し。低しを能く分ことも。自由
Z14_0009A08: なり。又淺きも。深きも。皆一佛乘にて。結構なる修行
Z14_0009A09: と。みなすことも。自由なり。是か法華經の。相待判麤
Z14_0009A10: と云。絕待開權と云の意なり。然れば。卽心念佛と申
Z14_0009A11: す人は。諸宗の親なるべし。因て法華經の藥王品に
Z14_0009A12: は。又如大梵天王。一切衆生之父。此經亦復如是。一
Z14_0009A13: 切賢聖學無學。及發菩薩心者之父と。說せ玉へり。同
Z14_0009A14: 發菩提心。往生安樂國と。唱ふる人は。皆卽心念佛を
Z14_0009A15: 父とすべし。卽心念佛と云は。段々言通り。淨土も。彌
Z14_0009A16: 陀も。我心を不離と照して。念佛申ことなり。此外に
Z14_0009A17: はなきなり。
Z14_0009B01:    卽心念佛の申し樣の事
Z14_0009B02: 總じて念佛修行の儀式。法要等は。自他宗の祖師達
Z14_0009B03: の。具さにのべをき玉へることなれば。今此を申し沙
Z14_0009B04: 汰するに及ばず。今は卽心念佛の申し樣の沙汰なり。
Z14_0009B05: 其に就て。拙僧が。先年より申す通り。凡そ世間の藝
Z14_0009B06: 能には。手前と云事を。本にするなり。又能をし。舞を
Z14_0009B07: まう人。たばこきざみ。かごかきまでも。腰をすゆる
Z14_0009B08: が本なり。然れば。卽心念佛の行者も。手前を能し。腰
Z14_0009B09: をすゆるを。本とすべし。其手前。腰のすへやうは。と
Z14_0009B10: かく佛道修行は。六道の中にては。人道が最上なれ
Z14_0009B11: ば。人間の心になり。人間の心を失なわぬが。念佛申
Z14_0009B12: しの手前。腰のすゑやうなり。ひつかりすれば能見。
Z14_0009B13: くわつたりと云ば。能聞。高き處に上れば。遠き處を
Z14_0009B14: も能見。しづかになれば。十方の事も能聞は。不思議
Z14_0009B15: に。明かなる心なれども。此心は。犬猫にもあり。牛に
Z14_0009B16: も馬にも。持たる心なれば。人の心とは云れず。近き
Z14_0009B17: 比の去禪宗は。烏が啼ば。明かに聞。犬がほゆれば。明

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