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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0008A01: 因て大佛頂經には。含吐十虛。寧有方所と說て。吾
Z14_0008A02: 等が物を思ふ心は。十方の虛空を。吐出しもし。又十
Z14_0008A03: 方の虛空を。含でもをるものなり。然れば。十萬億土。
Z14_0008A04: はるかに遠く。彌陀如來。結構なる佛と云ども。我心
Z14_0008A05: を離れぬが。卽心なり。さて念佛と云は。前に云し通
Z14_0008A06: り。根本。心に思ふことなり。然るに。佛敎の意。無想
Z14_0008A07: 無念を談ずる。一筋あり。因て禪宗などは。殊の外。念
Z14_0008A08: を嫌ひ。想を嫌ふなり。然れば。念佛は。迷の方なる
Z14_0008A09: べしと云不審。古へよりこれあることなり。此云分
Z14_0008A10: も。古への祖師達。くはしくしをき玉へり。其趣きを。
Z14_0008A11: 荒增申さば。先づ儒書の意にても。書經の多方の篇に。
Z14_0008A12: 惟聖罔念作狂。惟狂克念作聖とあり。此語は。藕益
Z14_0008A13: 大師も。度々引用し玉へり。此語の意は。たとひ上々
Z14_0008A14: の聖人なるも。善を念ぜざれば。狂亂の人となる。た
Z14_0008A15: とひ下々の亂氣人も。善を念ずれば。聖人となるな
Z14_0008A16: り。念ほど能事はなきなり。さて楞伽經には。用楔出
Z14_0008A17: 楔と說玉へり。楔を打拔には。其わきに。また楔をう
Z14_0008B01: てば。本の楔が拔出るなり。此譬への通り。念佛の念
Z14_0008B02: にて。諸の妄想惡念が拔出るなり。猶又。眞實の無念
Z14_0008B03: 無想の位は。只彌陀。釋迦の如くなる究竟妙覺の位な
Z14_0008B04: り。其より下は。起信論に。一切衆生。從本以來。念念
Z14_0008B05: 相續。未曾離一レ念と說て。一切衆生は。念想を離れざれ
Z14_0008B06: ば。念でなければ。修行はならぬなり。猶又。法華圓頓
Z14_0008B07: の意は。修惡全性惡と知ば。念が卽ち無念なり。此が
Z14_0008B08: 卽心念佛の極意なり。如此念卽ち無念。修卽ち性な
Z14_0008B09: れば。高聲に南無阿彌陀佛と唱へ。數珠をくりて。所
Z14_0008B10: 作を勤むるを人が見て。能く念佛申すと云ば。一念も
Z14_0008B11: 念。一返も不申と答へても。そむかぬことなり。さ
Z14_0008B12: て所念の佛は。三身具足の彌陀なり。三身は。三諦な
Z14_0008B13: り。三諦の彌陀を念ずるは。卽ち一心三觀なり。此理
Z14_0008B14: を知て。此理を照すは。上々の人なり。此理を知ねど
Z14_0008B15: も。此理は離れぬものなれば。愚癡無智の人の申す念
Z14_0008B16: 佛も。一心三觀の卽心念佛と云に。相違なきなり。此
Z14_0008B17: 則卽心念佛の人よりは。事の念佛申すも。卽心念佛を

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