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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0007A01: 念佛の大ぐゝりなり。取要言之と。云ものなり。猶此
Z14_0007A02: を委細に說のべば。卽心の卽の字は。つくと云は。物
Z14_0007A03: が二ありて。とりつきたる樣なれども。左樣にてはな
Z14_0007A04: し。我心も法界。阿彌陀如來も法界なれば。心と佛と
Z14_0007A05: 一體なるを。卽と云なり。法界の理體は一なれども。
Z14_0007A06: 彌陀は。結構なる佛にて。西方に在し。我等は迷ふて。
Z14_0007A07: 此界に在。此界の人の心にて。西方の彌陀を念ずれ
Z14_0007A08: ば。事の方より。約心の。卽心のと云ことが出來た
Z14_0007A09: り。さて心と云は。面々の心なり。心の體は。色もな
Z14_0007A10: く。形もなければ。一とも云れぬものなれども。心の
Z14_0007A11: 起り樣に付て。此を分れば。八識。九識と云ことあり。
Z14_0007A12: 目で物を見る心を。眼識と云。耳で聲を聞心を。耳識
Z14_0007A13: と云。鼻で物をかぐ心。舌で物をあじをふ心。身に觸
Z14_0007A14: て知心を。次の如く。鼻識。舌識。身識と云なり。只心
Z14_0007A15: の中にて。色々のことを思ふを。意識と云なり。立て
Z14_0007A16: も。居ても。寤ても。寐ても。我を忘れぬ心を。第七識
Z14_0007A17: と云なり。とくと能ねいりて。夢も見ぬ時も。死人に
Z14_0007B01: あらざれば。心あり。其心を。第八識と云なり。その第
Z14_0007B02: 八の見分を。第七が認て。我なり。法なりとするなり。
Z14_0007B03: 第九識と云は。八種の識の。總體なる心なり。總體と
Z14_0007B04: 云は。性相の分ち。染淨の分ちに。そむかぬことなり。
Z14_0007B05: 禪者は。心法無形。通貫十方。在眼曰見。在耳曰聞。
Z14_0007B06: 鼻曰香。在口談論。在手執捉。在足運奔。本是一
Z14_0007B07: 精明。分爲六和合といへり。目で物を見。耳で物を
Z14_0007B08: 聞心は。ちよつと起りて。擊石火の如く。閃電光の如
Z14_0007B09: くにて。ひつかり。ちらりとしたる。やうなる。ものな
Z14_0007B10: れども。其體は。みな周徧法界の物なり。心の內で物
Z14_0007B11: を思へば。心は我身の內。胸の間にある物のやうなれ
Z14_0007B12: ども。左樣に思ふ所の物は。緣影と云て。鏡の中の影
Z14_0007B13: の如くにして。鏡の光りにもあらず。鏡の總體にもあ
Z14_0007B14: らざる如くなり。心で物を思ふ其體は。色もなく。形
Z14_0007B15: もなく。聲もなく。臭もなく。過去にいつ始ると云こ
Z14_0007B16: ともなく。未來にいつ終ると云こともなく東西南
Z14_0007B17: 北。十方法界。どこにはてもなき。周徧法界の體なり。

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