浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0006A01: | 段々と。念佛をひきく說なし玉へるゆへ。段々と。佛 |
Z14_0006A02: | の本意は。薄くなるなり。傳敎大師のの玉へる。牧女 |
Z14_0006A03: | 添水之乳。終少二本味一と云ものなり。𣵀槃經の菩薩品 |
Z14_0006A04: | に。如下牧牛女。爲レ欲三賣レ乳貪二多利一故。加二二分水一。轉賣二 |
Z14_0006A05: | 與餘牧牛女人一。彼女得已。復加二二分一。轉復賣二與近城女 |
Z14_0006A06: | 人一。彼女得已復加二二分一。轉復賣二與城中女人一。彼女得已。 |
Z14_0006A07: | 復加二二分一。詣レ市賣レ之特有二一人一。爲レ子納レ婦。急須二好 |
Z14_0006A08: | 乳一。以供二賓客一。至レ市欲レ買。是賣レ乳者。多索二價直一。是人 |
Z14_0006A09: | 語言。此乳多レ水。實不レ直レ是値三我今日瞻二待賓客一。是故 |
Z14_0006A10: | 當レ取。取已還レ家用煮作レ糜。無二復乳味一。雖レ無二乳味一。於二 |
Z14_0006A11: | 苦味中一。猶勝千倍。何以故。乳之爲レ味。諸味中最上とあ |
Z14_0006A12: | り。此喩は。滅後弘經の人のことを。說玉へり。善導法 |
Z14_0006A13: | 然の勸めは。大分水を加へたる乳なり。去れども。出 |
Z14_0006A14: | 離生死の法なれば。九十六種の外道等の法よりは。百 |
Z14_0006A15: | 千萬倍勝れたり。吾宗の卽心念佛は。少しも水のまじ |
Z14_0006A16: | らぬ乳の如くにて。佛の本意に能くかなひたる念佛 |
Z14_0006A17: | なり。勤むべきは。卽心念佛なり。 |
Z14_0006B01: | 卽心念佛の四字の義理の事 |
Z14_0006B02: | 卽心念佛とは。卽レ心念レ佛と讀なり。卽と云は。つくと |
Z14_0006B03: | よむなり。つくとは。離れぬことなり。心とは。各我等 |
Z14_0006B04: | が。現前の心なり。念とは。をもふなり。佛とは。西方 |
Z14_0006B05: | の阿彌陀佛なり。凡そ念佛と云は。根本。心に佛を思 |
Z14_0006B06: | ふことなり。又口に南無阿彌陀佛と唱ふるも。念佛な |
Z14_0006B07: | り。口に唱ふるは。心にをもふより出るゆへ。口に唱 |
Z14_0006B08: | ふるも。念佛と云なり。此は卽心念佛の四字のこゝろ |
Z14_0006B09: | なり。卽心念佛の總ごゝろは。我心が周徧法界の體な |
Z14_0006B10: | れば。十萬億土の末への極樂國土も。我心を離れず。 |
Z14_0006B11: | 阿彌陀佛。觀音。勢至。淸淨大海衆も。我心を離れずと |
Z14_0006B12: | 知て。往生の願を起し。念佛申すが。卽心念佛なり。卽 |
Z14_0006B13: | 心念佛の義。此外にはなきことなり。かく云分は。む |
Z14_0006B14: | つかしき入くみにてもなし。合點し難きこともなけ |
Z14_0006B15: | れば。いかなる人も。合點ゆくべきことなり。只此意 |
Z14_0006B16: | を忘れずして。念佛申すにつけて。此意を思ひ。此意 |
Z14_0006B17: | を思ふて。念佛申すが。卽心念佛なり。右云所は。卽心 |