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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0408A01: てなげくべし。いたづらにくれぬることを。曉はさめ
Z08_0408A02: て思ふべし。ひめもすに行ぜむ事を。懈怠の時には。
Z08_0408A03: 生死無常を思へ。惡念思惟の時には。聲をあげて念佛
Z08_0408A04: すべし。鬼神魔緣等におきては。慈悲をおこして利益
Z08_0408A05: をあたへ。降伏の思をなすことなかれ。貧は菩提の
Z08_0408A06: たね。日々に佛道にす〻む。富は輪廻のきづな。夜々
Z08_0408A07: にあく業をます。
Z08_0408A08: ○有云。行者用心集に。これを引て慧心の釋と
Z08_0408A09: 云云。○よゐにはふしてなげくべし。禪關策進
Z08_0408A10: 伊菴權禪師。用ルヿ甚銳。至必流M(シテ)
Z08_0408A11: 今日又只恁麽。未如。來日工夫如何。已上
Z08_0408A12: ●山菴雜錄。溫列壽昌絕照輝公。工
Z08_0408A13: 夫未方圓。幾度獨自。今日
Z08_0408A14: 三。明日四。雪霜容易人頭已上寶日上
Z08_0408A15: 人。朝夕詠じ給へる歌。あけぬなり賀茂の河原に千
Z08_0408A16: 鳥なく。けふもむなしく暮んとすらん。●山里の夕
Z08_0408A17: くれのかねのこゑことに。けふもくれぬときくそ
Z08_0408A18: かなしき。
Z08_0408A19: ○行仙房云。身意に作る罪をば。口業にてこそ懺悔す
Z08_0408A20: べきに。いたづらごとにひまをいる〻ことよ。
Z08_0408B01: ○いたづらごと。徒言と書くべし。益のなき物が
Z08_0408B02: たりの事也。龍舒居士。口レハ佛名。如
Z08_0408B03: 珠玉。口レハ敎化。如ツカ光明。口レハ無益
Z08_0408B04: (カム)木屑。口メハ戲謔。如ルカ刀釼。口(イヘハ)
Z08_0408B05: 穢語スカ蛆蟲已上
Z08_0408B06: ○敬佛房云。近來の遁世の人といふは。もと▲りきり
Z08_0408B07: はつれば。いみじき學生。說經師となり。高野にのぼ
Z08_0408B08: りつれば。めでたき眞言師。ゆ〻しき釋論の學生にな
Z08_0408B09: り。或はもとは假名のし文字だにも。はか〲しくま
Z08_0408B10: げぬものなれども。梵漢さるていに。書きならひなど
Z08_0408B11: しあひたる也。然して。生死界を厭ふ心もふかく。後世
Z08_0408B12: のつとめをいそがはしくする樣なる事は。きはめ〓あ
Z08_0408B13: りがたき也。はやもと▲りなどきりけん時は。さりと
Z08_0408B14: も。此心をばよもおこしたてじと。おぼゆる樣なるを。
Z08_0408B15: 我執名聞甚しき心をそ(副)へおこしあひたる也。某が
Z08_0408B16: 遁世したりし頃までは。猶世をのがる〻樣に。あるを
Z08_0408B17: だにもこそすつれ。なきをもとむる事はうたてしき
Z08_0408B18: 事なりと。ならひあひたりしあひだ。世間出世につけ
Z08_0408B19: て。今生の藝能とも也。生死の餘執とも成りて。つゐ
Z08_0408B20: に後世のあだとなりぬべくば。ちかくも。とをくも。と

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