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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0407A01: かまへて人めにたつべからざるものなり。人をば人
Z08_0407A02: が損ずる也。
Z08_0407A03: ○人をば人が損ずる也。ねたみてそしり。うやま
Z08_0407A04: ひてほむる。ともにわが心のさはり也。みだりに人
Z08_0407A05: の恭敬をうけ。信施などをうくれば。つみおほき事
Z08_0407A06: 也。
Z08_0407A07: ○乘願上人云。佛法者の德をかくす事をば。よき事に
Z08_0407A08: いひたれども。ほかに愚を現ずれば。又懈怠になる失
Z08_0407A09: あり。たとへば。道場へはいらずして。寢所にゐて。念
Z08_0407A10: 佛せんとするほどに。しばらくこそあれ。ねぶりなら
Z08_0407A11: へる所なるがゆへに。のちにはやがてねいるがごと
Z08_0407A12: し。されば凡夫は。とにかくに。す〻まじとするを。す
Z08_0407A13: すめむために。助業は大切也。
Z08_0407A14: ○乘願上人云。此詞また肝要也。前に人めにたつ
Z08_0407A15: 事をいましめらる〻言おほけれ共。あまりに人目
Z08_0407A16: をしのび。世にしたがひすぐれば。眞實の懈怠者に
Z08_0407A17: なる也。過去不及の間をはからふべし。○助業。念
Z08_0407A18: 佛のものうき時。たすけす〻むるわざを。助業をい
Z08_0407A19: ふ也。經をよみ佛を觀じ。禮拜をし。六時禮讚などを
Z08_0407A20: つとむる事也。
Z08_0407B01: ○敬佛房云。遁世といふは。稠林に竹を引くがごと
Z08_0407B02: く。物にか〻へられぬなり。
Z08_0407B03: ○明禪法印云。いたづらにねむりゐたるは。させる德
Z08_0407B04: はなけれども。失がなきなり。
Z08_0407B05: ○稠林に。行事鈔。但ルニ。其邪曲ニM(シテ)
Z08_0407B06: 一レキヿ拔濟。如稠林曲木。故
Z08_0407B07: ルヿヲ佛法中已上資持記云。稠林曲木トハ。喩
Z08_0407B08: 一レ拔。稠卽密也。已上
Z08_0407B09: ○解脫上人云。出離に三障あり。一には所持の愛物。
Z08_0407B10: 本尊。持經等まで二には身命をおしむ。三には善智識の敎にし
Z08_0407B11: たがはざる。
Z08_0407B12: ○本尊持經。心をとめて見るべし。○善知識。博
Z08_0407B13: 學辯口にあらず。後世心ある人を善知識といふ。
Z08_0407B14: ○明遍僧都云。無智にぞありたき。
Z08_0407B15: ○無智にぞありたき。かしこだてがやめられぬ
Z08_0407B16: ものぞといふ心也。一枚起請のごとく。無智の身に
Z08_0407B17: なるべし。その德おほし。
Z08_0407B18: ○有云。後世をねがは▲。世路をいとなむがごとし。け
Z08_0407B19: ふすでに暮ぬ。渡世はげまざるにやすし。今年もやみ
Z08_0407B20: 〱と(タケ)ぬ。一期いそがざるに過ぎぬ。よゐにはふし

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