浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0406A01: | にた〻ぬ身になりたらん。大要の事也。 |
Z08_0406A02: | ○天地は。天地ものいはずして。四時おこなはれ。 |
Z08_0406A03: | 萬物なる也。○何事も要にた〻ぬ。用にたてば。名 |
Z08_0406A04: | 利の心のこりていそがはし。用にた〻ねば心しづ |
Z08_0406A05: | かに。身いとまありて。佛道を修するによし。 |
Z08_0406A06: | ○明禪法印云ク。聖法師の。今生に德をひらく事は。大 |
Z08_0406A07: | 略後世のためにはすてものなり。 |
Z08_0406A08: | ○聖法師。世すて人の事也。 |
Z08_0406A09: | ○又云ク。聖法師は。功德に損するなり。功德をつくら |
Z08_0406A10: | むよりは。惡をと▲むべきなり。 |
Z08_0406A11: | ○功德に損する。佛をつくり。寺をたて。その外。 |
Z08_0406A12: | 興福の事にか〻る人。はじめの心ざしはよけれど |
Z08_0406A13: | も。事にふれて。欲心もおこり。わが身には。うるはし |
Z08_0406A14: | く後世のつとめするひまもなくて。はてには名聞 |
Z08_0406A15: | におちて。道心も退轉する也。 |
Z08_0406A16: | ○又云ク。利益衆生とて。こと〲しくせねども。眞實 |
Z08_0406A17: | に生死をはなれんとだにおもへば。分々に利益はか |
Z08_0406A18: | ならずあるなり。 |
Z08_0406A19: | ○又云ク。しやせまじ。せでやあらましと。おぼゆるほ |
Z08_0406A20: | どの事は。大抵せぬがよきなり。 |
Z08_0406B01: | ○しやせまじ。せでやあらまし。なすべきか。やむ |
Z08_0406B02: | べきかなり。兼好の詞に。あらためて益なき事は。 |
Z08_0406B03: | あらためざるをよしとすとありし。おなじ心なり。 |
Z08_0406B04: | ○敬佛房云ク。婬事對治。不淨無常は猶ほ次ぎ也。只以レ |
Z08_0406B05: | 貧ヲ爲レ最ト。依レ之故ニ上人(タレトモシレズ)は。あながち |
Z08_0406B06: | にうれへず。貧賤をさきとする故也。今の後世者は。 |
Z08_0406B07: | 其身富有なるがゆへに。此事難シレ禁メ云云。同上人。あか |
Z08_0406B08: | らさまにても。男女の間の事。物語にし給はず。 |
Z08_0406B09: | ○婬事對治。婬欲を對治せんには。人身の不淨を |
Z08_0406B10: | 觀じ。自他の無常を觀ずるがつねの事なれども。そ |
Z08_0406B11: | れよりも。貧乏が第一の對治にてあるとなり。婬欲 |
Z08_0406B12: | も。衣食住のゆたかなるうへの事也。はだへさむく |
Z08_0406B13: | 食ともしくば。色欲もをのづからおこらじと也。 |
Z08_0406B14: | ○同上人。或同朋に。後世者の究竟の事。をしへんとて |
Z08_0406B15: | 云ク。身はいやしくて。心はたかく有りなん。(下知の詞也) |
Z08_0406B16: | ○究竟の事。至極肝要の事也。○身はいやしくて |
Z08_0406B17: | 身をたかくもてば。愛執。貪欲。憍慢。名聞などおこ |
Z08_0406B18: | りて。𨻶もなく身持もむつかし。○心はたかく。名 |
Z08_0406B19: | 利の小節を見くだして。出離の大志をたつる義也。 |
Z08_0406B20: | ○明禪法印云ク。後世をたすからむとおもはんものは。 |