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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0409A01: ても。かくても。あひかまへて。せじとこそ。このみな
Z08_0409A02: らひしか。されば大原高野にも。久しくありしかども。
Z08_0409A03: 聲明一も。梵字一も。ならはでやみにしなり云云。た▲
Z08_0409A04: とてもかくてもすぎならひたるが。後世のためには
Z08_0409A05: よきなり。
Z08_0409A06: ○もと▲りきりはつれば。髮をそりをはれば也。
Z08_0409A07: ○說經師。說法者なり。○釋論。釋摩訶衍論の事
Z08_0409A08: 也。起信論の末論なり。眞言宗にてとりあつかふ物
Z08_0409A09: なり。○梵漢さるてい。梵字も。漢字も。大方にか
Z08_0409A10: くと也。○ありがたき也。ありかぬる也。○はやも
Z08_0409A11: と▲りなときりけん時は。はやとは。すぎさりし
Z08_0409A12: 事也。むかしの事を歌にもはやとよむ也。○大原高
Z08_0409A13: 野。大原は良忍上人より。聲明の處となり。高野
Z08_0409A14: は大師より。梵字の處となる也。○ならひしか。此
Z08_0409A15: かの字。すみてよむべし。かなの心也。○すぎなら
Z08_0409A16: ひたるが。無調法ながら。とをせとなり。
Z08_0409A17: ○有云。慈悲をこそ。おこさ▲らめ。人をなにくみそ。
Z08_0409A18: ○人をなにくみそ。なは勿の字也。
Z08_0409A19: ○敬佛房云。後世の事は。た▲しづかに案ずるにある
Z08_0409A20: なり。
Z08_0409B01: ○行仙房云。あひかまへて。ひじるべき也。往生のさ
Z08_0409B02: はりの中に。貪愛にすぎたるはなし。衆惡のさはり。色
Z08_0409B03: 貪をさきとす云云。
Z08_0409B04: ○貪愛。財色の二に通ず。淨心誡觀。夫
Z08_0409B05: セント。於三業。先ツヘシ財色二種。若
Z08_0409B06: レハ。卽無諂諍。若不レバ。卽無
Z08_0409B07: 已上
Z08_0409B08: ○依輔定所望難一レ去。早速ラス。于時寬正第四
Z08_0409B09: 載孟夏上弦之比
Z08_0409B10: 頽齡五十五
Z08_0409B11: 洛下田畔野叟 朱印
Z08_0409B12: ○依輔定。是は慶安年中。板行本の奧書なり。輔
Z08_0409B13: 定。なに人ぞ。考へ見るべし。○或。江州佐和山に
Z08_0409B14: 古本有。徹書記の筆也。是はその本の奧書なり。朱印
Z08_0409B15: に正徹とありとぞ。
Z08_0409B16: 標註一言芳談抄卷第三終
Z08_0409B17: 元祿二己巳年初夏吉日
Z08_0409B18: 西村市良右衞門藏板

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