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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

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巻_頁段行 本文
Z08_0404A01: 世間のさたなり。則ち我等出仕の時なり。然而其時ま
Z08_0404A02: では。論議日記ばかりをばせし也。當世は其程の事も
Z08_0404A03: なき歟。
Z08_0404A04: ○公請に。禁裏公家方へめされてまいる事也。○御
Z08_0404A05: 佛事。內裏にて御祈禱。御國忌など有る事也。○い
Z08_0404A06: まだはじまらざるほど。ほどは時なり。○一條院。
Z08_0404A07: 人王六十六代。○一向。ひたすらなり。○顯密。天
Z08_0404A08: 台眞言等なり。○白河院。七十一代の帝。○鳥羽院。
Z08_0404A09: 七十四代。○世間のさたなり。竹窻隨筆。古
Z08_0404A10: 之學者。賓主相見。纔レハ。便以一大事因
Z08_0404A11: 。遽相硏究。今群居雜談。率世諦。漫𪜈
Z08_0404A12: 千里。靡ルヿ參詢。遐ナル哉古風不矣。嗟夫。
Z08_0404A13: 已上○論議日記。その日〱の論議をしるすなり。
Z08_0404A14: 學問日記。土佐日記などのごとし。
Z08_0404A15: ○寶幢院本願。むかしの上人は。一朝道心の有無
Z08_0404A16: を沙汰しき。次世の上人は。法文を相談す。當世の上
Z08_0404A17: 人は。合戰もの語云云。
Z08_0404A18: ○寶幢院本願。寶幢院は高野山にあり。本願上人
Z08_0404A19: は寬泉房の事か。●本願は願主の心也。聖道家に今
Z08_0404A20: もある事也。叡山の西塔をも寶幢院といふ。
Z08_0404B01: ○敬佛房上洛の時覺明房。證蓮房等語M(シテ)。むかし
Z08_0404B02: の後世者の振舞と。今の後世者の風情とはかはり候
Z08_0404B03: 也。昔の聖どもの沙汰しあひて候しは。其人は後世を
Z08_0404B04: おもふ心の。あるかなきかの體にてこそ候しが。今は
Z08_0404B05: 學問し候べき。器量などのあるを。後世者のさねと申
Z08_0404B06: しあひて候也云云。敬佛房云。後世者のふり(振)は。大
Z08_0404B07: にあらたまりにけるにこそ。
Z08_0404B08: ○上洛の時。高野山より。京へのぼられし也。○む
Z08_0404B09: かしの後世者のふるまひ。むかしは道心の有無を
Z08_0404B10: 沙汰し。今は學問の利鈍のみを論ずる也。これ本を
Z08_0404B11: わすれて。末をきそふ。佛の御心にたがへる事なり。
Z08_0404B12: ○後世者のさね。天性。その骨を得たる人といふ
Z08_0404B13: 義也。當世の僧を見るに。師匠も親も。道心をおこせ
Z08_0404B14: とはをしへず。同學の僧も。名利をのぞむものばか
Z08_0404B15: りなれば。小僧の時より。學問よくして。よき寺をも
Z08_0404B16: たんことばかり思ひいれて。後世門の事は。つやつ
Z08_0404B17: やしらず。いせ物語に。まらうどさねど有。眞の字
Z08_0404B18: 也。かしらといふ心也。
Z08_0404B19: ○敬佛房。奧州のかた。修行のとき。寄宿しける在家の
Z08_0404B20: 四壁。大堺みなやぶれて。すみあらせる體なり。そのゆ

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