浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0398A01: | 一の不審を披くといへども。するにしたがひて。あら |
Z08_0398A02: | ぬ不審のみ。いできたるあひだ。一期は不審さばくり |
Z08_0398A03: | にて。心しづかに念佛する事もなし。然而念佛のたよ |
Z08_0398A04: | りにはならで。中々大なるさはりにて候也。 |
Z08_0398A05: | ○決定往生のつと。家土產といふは。俗にみやげ |
Z08_0398A06: | といふ事也。旅裏といふは。旅にもつ食物なり。往 |
Z08_0398A07: | 生のつと〻は。往生の資糧なり。○往生の要。往生 |
Z08_0398A08: | の支度の樞要なり。○不審。いぶかしき事也。○さ |
Z08_0398A09: | はくり。とりあつかふ義也。 |
Z08_0398A10: | ○信空上人問テ云ク。智慧もし往生の要たるべくば。正 |
Z08_0398A11: | 直に仰をかふむべりて。修學をいとなむべし。又た▲ |
Z08_0398A12: | 稱名不足なくば。そのむねを存ずべく候云云。答テ云ク。 |
Z08_0398A13: | 業は。是稱名といふ事。釋の文分明也。有智無智を不レ |
Z08_0398A14: | 簡といふこと。又以顯然なり。然ば爲ニ二往生一稱名爲スレ |
Z08_0398A15: | 足ト。學問を好まんとせんよりは。一向に念佛すべし。 |
Z08_0398A16: | 彌陀觀音。勢至に奉レ逢の時。何の法文が達せざらん。 |
Z08_0398A17: | 念佛往生のむねを。しらざらむほどは可レ學レ之。もし |
Z08_0398A18: | 是を知りをはりなば。いくばくならざる智慧をもと |
Z08_0398A19: | めて。稱名の暇を。さまたぐべからず。 |
Z08_0398A20: | ○此答は法然上人なり。○往生の業。業は業因也。 |
Z08_0398B01: | ○釋の文分明なり。散善義の一心專念の文。又要 |
Z08_0398B02: | 集の念佛爲本の文。其外にもかず〱あきらかな |
Z08_0398B03: | り。○有智無智を。五會讚に。不レ簡三下智ト與二高才一と |
Z08_0398B04: | あり。又選擇集第三章をも見るべし。○何の法文か |
Z08_0398B05: | 達せざらん。惠心僧都は。唯識は淨土を期す〓との |
Z08_0398B06: | 給ひ。聖覺法印も。大小經典の義理は。百法明門の暮 |
Z08_0398B07: | をまつべしとら仰せられたり。○是を知りをはり |
Z08_0398B08: | なば。此分齊をよく合點すべし。 |
Z08_0398B09: | ○黑谷善阿彌陀佛ノ物語ニ云ク。解脫上人の御もとへ。聖 |
Z08_0398B10: | まいりて同宿したてまつりて。學問すべきよしを申 |
Z08_0398B11: | すかの御返事に云ク。御房は發心の人と見たてまつる。 |
Z08_0398B12: | 學問してまた(全)く無用なり。とく(疾)かへりたまへ。 |
Z08_0398B13: | これに候ものどもは。後世の心も候はぬが。いたづら |
Z08_0398B14: | にあらんよりはとてこそ。學問をばし。(仕)候へとて追 |
Z08_0398B15: | ひ返されしと云云。 |
Z08_0398B16: | ○同宿。おなじいほりにやどる事也。○學問してま |
Z08_0398B17: | たく無用也。南都に學匠ありけり。春日大明神。夢中 |
Z08_0398B18: | に。法門など御物がたりありけれども。御面をば。む |
Z08_0398B19: | けさせ給はず。學生なれば。法門をばいへども。道心 |
Z08_0398B20: | がなき故に。面はむけぬなりと。仰ありけるとなん。 |