浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0399A01: | ○敬蓮社云ク。日來後世の心あるものも。學問などしつ |
Z08_0399A02: | れば。大旨は無道心になる事にてあるなり。或人。明 |
Z08_0399A03: | 遍僧都にたづね申テ云ク。一向に後世のためと思ひて。 |
Z08_0399A04: | し候はん學問。いか▲候べき。仰ニ云ク。始は後世のた |
Z08_0399A05: | めとおもへども。後には皆名利になるなり。おり〱 |
Z08_0399A06: | 被テレ仰セ云ク。某が身には。此御山に。ゐそめたりけるが |
Z08_0399A07: | 惡事にて候ひける。遁世しなん後は。ほたの上に。み |
Z08_0399A08: | そやきなどうちをきて。はさみ。くふふぜい(風情)にて。 |
Z08_0399A09: | 有リなんずるとこそ思ひしに。かへりて。道心者になり |
Z08_0399A10: | て。ゆ〻しげなるありさまにて候事。本意相違の事也。 |
Z08_0399A11: | これは內心をばしらず。か樣にて閉ヂ籠リたる體に候 |
Z08_0399A12: | 事を。人の。心にくきおもへるゆへなりとて。にがみた |
Z08_0399A13: | まひしなり。 |
Z08_0399A14: | ○此御山。高野山なり。明遍僧都。蓮華谷にこもり |
Z08_0399A15: | 給ひし也。○ほたの上に。煨の字をほたくゐと訓 |
Z08_0399A16: | ず。をきの事也。○みそやき。燒味噌なり。○ゆ〻 |
Z08_0399A17: | しげなる。忌々敷とかく也。いま〱しき心也。處 |
Z08_0399A18: | によりて心かはる也。○にがみたまひしなり。に |
Z08_0399A19: | がにがしきかほなり。源氏は〻木の卷に。あつきに |
Z08_0399A20: | と。にがみ給へばとあり。 |
Z08_0399B01: | ○敬佛房云ク。非人法師の身に。學問無用といふことも。 |
Z08_0399B02: | 分齊あるべき事なり。器量あらんものは。如クレ形ノ。往生 |
Z08_0399B03: | 要集のもじよみ(文字讀)ふぜいの事をも(以)て。生死無常 |
Z08_0399B04: | のいとふべきことはり。念佛往生のたのもしき樣な |
Z08_0399B05: | ど。時々はくり見るべき也。されど。明遍僧都御房も。 |
Z08_0399B06: | 念佛者の十樂おぼえざらんは。無下の事也など。仰せ |
Z08_0399B07: | られたるなり。又學問すべしといへばとて。一部始終 |
Z08_0399B08: | を心得わたし。文々句々。分明に存知せんなどいふ心 |
Z08_0399B09: | ざしは。ゆめ〱あるべからず。た▲。もじよみなど |
Z08_0399B10: | したるに。やすらかに。心得らる〻體なり。大要たとき |
Z08_0399B11: | (貴)所くり見るほどの事なり。此故實を得つれば。敎 |
Z08_0399B12: | の本意に相違せずして。後世にす〻む大要となるな |
Z08_0399B13: | り。又他をす〻むる利生のため。ことに大切なり。又 |
Z08_0399B14: | これ程の事なりとも。我執名聞も。まさる樣におぼえ |
Z08_0399B15: | ば。一向に可レ停二-止之一。藥を毒となさむ事。返す〲を |
Z08_0399B16: | ろかなる事也。一文一句なりとも。心えによりて。念 |
Z08_0399B17: | 佛もまめにおぼえ。後世の心もす〻み。かきいそぐ樣 |
Z08_0399B18: | なる心ばへ。いでくる體に。おぼへば。たうとき文ど |
Z08_0399B19: | もをも。時々は見るべき也。但。天性器量をろかなら |
Z08_0399B20: | んものと。これほどの學問もなくとも。一向稱念すべ |