浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0396A01: | ず○物にもいろはず。佛法の事。世間の事にもか |
Z08_0396A02: | かはらず。○還來穢國。善導の御釋に。還來穢國度 |
Z08_0396A03: | 人天とあり。極樂より立かへりて。衆生を利益する |
Z08_0396A04: | 義なり。○惠心ノ云ク。求メレ名ヲ顧レハレ衆ヲ。身心共ニ疲ル。 |
Z08_0396A05: | 求M(シテ)レ勞ヲ成ハレ善ヲ。悕望彌多シ。不レ如。孤獨ニM(シテ)無ンニハ二境界一。 |
Z08_0396A06: | 不レ如。稱名M(シテ)抛ンニハ二萬事ヲ一。已上 |
Z08_0396A07: | ○顯性房云ク。心ぐるしき。悕(ネカヒ)望(ノゾミ)どもをな |
Z08_0396A08: | げすて〻。た▲ありのま〻なる心にて。平に名號をと |
Z08_0396A09: | なへんと。おもひイおもへるとること。きはめてすくなし。黑 |
Z08_0396A10: | 白を辨へざるほどの者になりて。平に念佛せむと |
Z08_0396A11: | 思へる意樂を。眞實におこせる人もなきなり。阿彌陀 |
Z08_0396A12: | 佛の本願。他力の不思議をば。いかほど。しりたるや |
Z08_0396A13: | らん。人ごとに分齊を作て。罪惡の身をかへりみ |
Z08_0396A14: | て。佛力。法力におもひつかざるなり。然る間。罪業も |
Z08_0396A15: | いよ〱と▲まらざる也。これは返す〱もあしき |
Z08_0396A16: | 心なり。 |
Z08_0396A17: | ○心ぐるしき悕望。名利をもとむる心也。○あり |
Z08_0396A18: | のま〻。誠に往生がしたくて。た▲申す也。名利の |
Z08_0396A19: | 心もなく。智慧だてもなきを。平にといふ。○他力の |
Z08_0396A20: | 不思議。かの佛の慈悲は。ふかき事海のごとし。今 |
Z08_0396B01: | の本願のちからなれば。いかなる惡人も。たすけら |
Z08_0396B02: | れずといふ事なし。しかるに。われは。是ほどの罪 |
Z08_0396B03: | 人なれば。往生しがたからんといふは。指にて海を |
Z08_0396B04: | はかりて。あさしといはんがごとし。○佛力法力。 |
Z08_0396B05: | 法力とは。名號のちからをいふ也。道氤法師ノ云ク。 |
Z08_0396B06: | 佛力法力ハ。三賢十聖モ。亦不レ能ハレ測ルヿ。已上 |
Z08_0396B07: | 標註一言芳談抄卷第二終 |
Z08_0396B08: | 標註一言芳談抄卷第三 |
Z08_0396B09: | ○學問 |
Z08_0396B10: | ○敬佛房云ク。後世者の法文は。紙一枚にすぎぬなり。 |
Z08_0396B11: | ○紙一枚に。出離は博學によらず。修行の肝要は。 |
Z08_0396B12: | 一紙にしるすに不足なし。かの一枚起請のごと |
Z08_0396B13: | し。 |
Z08_0396B14: | ○願生房云ク。其昔。明遍上人にあひたてまつりて。十 |
Z08_0396B15: | 八道傳受の次に。字輪觀可レ奉レ受よし所望の處に。上人 |
Z08_0396B16: | 示M(シテ)云ク。學生智者なこのみ給ひそ。釋迦佛の因位にも。 |