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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0396A01: ず○物にもいろはず。佛法の事。世間の事にもか
Z08_0396A02: かはらず。○還來穢國。善導の御釋に。還來穢國度
Z08_0396A03: 人天とあり。極樂より立かへりて。衆生を利益する
Z08_0396A04: 義なり。○惠心。求レハ。身心共
Z08_0396A05: M(シテ)。悕望彌多。不如。孤獨ニM(シテ)ンニハ境界
Z08_0396A06: 如。稱名M(シテ)ンニハ萬事已上
Z08_0396A07: ○顯性房云。心ぐるしき。悕(ネカヒ)望(ノゾミ)どもをな
Z08_0396A08: げすて〻。た▲ありのま〻なる心にて。平に名號をと
Z08_0396A09: なへんと。おもひおもへるとること。きはめてすくなし。黑
Z08_0396A10: 白を辨へざるほどの者になりて。平に念佛せむと
Z08_0396A11: 思へる意樂を。眞實におこせる人もなきなり。阿彌陀
Z08_0396A12: 佛の本願。他力の不思議をば。いかほど。しりたるや
Z08_0396A13: らん。人ごとに分齊を作て。罪惡の身をかへりみ
Z08_0396A14: て。佛力。法力におもひつかざるなり。然る間。罪業も
Z08_0396A15: いよ〱と▲まらざる也。これは返す〱もあしき
Z08_0396A16: 心なり。
Z08_0396A17: ○心ぐるしき悕望。名利をもとむる心也。○あり
Z08_0396A18: のま〻。誠に往生がしたくて。た▲申す也。名利の
Z08_0396A19: 心もなく。智慧だてもなきを。平にといふ。○他力の
Z08_0396A20: 不思議。かの佛の慈悲は。ふかき事海のごとし。今
Z08_0396B01: の本願のちからなれば。いかなる惡人も。たすけら
Z08_0396B02: れずといふ事なし。しかるに。われは。是ほどの罪
Z08_0396B03: 人なれば。往生しがたからんといふは。指にて海を
Z08_0396B04: はかりて。あさしといはんがごとし。○佛力法力。
Z08_0396B05: 法力とは。名號のちからをいふ也。道氤法師
Z08_0396B06: 佛力法力。三賢十聖。亦不ルヿ已上
Z08_0396B07: 標註一言芳談抄卷第二終
Z08_0396B08: 標註一言芳談抄卷第三
Z08_0396B09: ○學問
Z08_0396B10: ○敬佛房云。後世者の法文は。紙一枚にすぎぬなり。
Z08_0396B11: ○紙一枚に。出離は博學によらず。修行の肝要は。
Z08_0396B12: 一紙にしるすに不足なし。かの一枚起請のごと
Z08_0396B13: し。
Z08_0396B14: ○願生房云。其昔。明遍上人にあひたてまつりて。十
Z08_0396B15: 八道傳受の次に。字輪觀可受よし所望の處に。上人
Z08_0396B16: M(シテ)。學生智者なこのみ給ひそ。釋迦佛の因位にも。

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