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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0394A01: 。身を本願にまかせかねたる心の。なまざかしき
Z08_0394A02: にこそ。けふまで往生もと▲こほりぬれ。いまより
Z08_0394A03: にても。心をかずたのみをかけば。やがて本願には
Z08_0394A04: 乘ずべし云云。
Z08_0394A05: ○然阿上人云。いつはらざる心をも以て。佛の本願を
Z08_0394A06: 信じて。まさに往生せむと思ふ。これを三心といふな
Z08_0394A07: り。
Z08_0394A08: ○いつはらざる心。至誠心。○佛の本願を信じて。
Z08_0394A09: 深心。○往生せんと思ふ。廻向心是が橫の三心なり。
Z08_0394A10: ○法然上人の云。もし自力の心に住せば。一聲なを自
Z08_0394A11: 力也。もし他力をたのむは。聲々念々みな他力也。
Z08_0394A12: ○自力の心に。一念義の說に。往生は一念にきは
Z08_0394A13: まれり。おほく申さんとするは。自力念佛なりとい
Z08_0394A14: へり。上人これをきこしめして。かく仰られし也。我
Z08_0394A15: ちからにて往生するとおもは▲。一遍も自力なり。
Z08_0394A16: たすけ給へと佛をたのむ心ならば。幾萬遍申すと
Z08_0394A17: も。いよ〱他力をかこつなり。
Z08_0394A18: ○明禪法印云。あか子念佛がよきなり。さかしだちた
Z08_0394A19: る事(カシコダテナリ)ども。きこしめして被仰云。身の程しら
Z08_0394A20: ずの物不覺人なり覺えず覺えず。
Z08_0394B01: ○顯性房の云。小兒の母をたのむは。また(全)く其故
Z08_0394B02: をしらず。た▲。たのもしき心ある也。名號を信敬せ
Z08_0394B03: んことかくのごとし。
Z08_0394B04: ○あか子念佛。此次の顯性房の言にて。知るべし。
Z08_0394B05: 身をまかせて佛をたのめる也。なほ歸命本願抄中
Z08_0394B06: 卷を見るべし。あか子とは。寫誤なるべし。赤子と
Z08_0394B07: 書てちごとよむ也。和名抄○小兒の母を。末に附た
Z08_0394B08: る異本の內の。乘願上人の言を見あはすべし。
Z08_0394B09: ○敬佛房云。念佛の法門は。歌一首にて心へたるよし
Z08_0394B10: 僧都御房に申すなり。仰。さう。た▲たのめたと
Z08_0394B11: へは人のいつはりを。かさねてこそはまたもうら
Z08_0394B12: みめ。
Z08_0394B13: ○僧都御房。明遍なり。○さう。いかにもその
Z08_0394B14: 通と也○た▲たのめ。是は新古今戀部にあり。慈
Z08_0394B15: 圓僧正の歌なり。戀の歌に人といふは戀らる〻人
Z08_0394B16: 也。その人我を思ふといは▲。ただ悅ぶべし。思ひす
Z08_0394B17: ごしてうたがふなといふ心也。是を本願の方へあ
Z08_0394B18: はせて心得べし。
Z08_0394B19: ○有云。往生をおもはん事。たとへば。ねらひづきせ
Z08_0394B20: んとする心ねをもつべし。

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