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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0393A01: つきの目鼻を取すて〻。念佛申さんと思ふがごとし。
Z08_0393A02: ○問給はく。是より又明遍の御ことばなり。○さ
Z08_0393A03: うけ給りぬ。領納の言也。
Z08_0393A04: ○明遍云。取詮。眞實に淨土をねがひ。穢歲土を厭ふ
Z08_0393A05: 心とく。散心稱名をもて。往生し候事。うたがひなく候。
Z08_0393A06: 其心眞實ならずば。百千の不審をひらきて。甚深の義
Z08_0393A07: 理を悟り候とも。往生かなひがたく候歟。佛道修行に
Z08_0393A08: は。功が大切なるなり。一度機をか▲みて。一行におも
Z08_0393A09: ひさだめて後。人のとかくいへばとて。變改の條。無下
Z08_0393A10: (無上にて。最下のうちの詞也)の事なり。
Z08_0393A11: ○散心稱名。散亂の心。妄念まじりの口稱也。○觀
Z08_0393A12: 念工夫をからず。○其心眞實ならずば。まへに眞
Z08_0393A13: 實の言あるをうけてみるべし。厭欣は眞實ならず
Z08_0393A14: して。義解のみを詮にするは往生せぬ人なり。○
Z08_0393A15: 功が大切なるなり。たとひ散心なりとも。その功を
Z08_0393A16: つめば往生するなり。人にさまたげられて。散心を
Z08_0393A17: うたがふ心にては往生がならぬ也。
Z08_0393A18: ○明禪法印云。他力の强緣にあへる事を思ふに。生死
Z08_0393A19: を出離せんことは。今生にあひあたれり。此緣にあひ
Z08_0393A20: ながら。むなしくすごしては。一定またうけさげられ
Z08_0393B01: ぬとおぼゆるなり。しかれば。生死をわかれざらんこ
Z08_0393B02: と今生にあるなり。
Z08_0393B03: ○一定またうけさげられぬ。一定とは推量の詞
Z08_0393B04: なり。受さぐるとは。人界より三惡道などへおつ
Z08_0393B05: る事也。○慈鎭和尙歌云云。このたひをかきりにはせ
Z08_0393B06: んとおもふかな。身もうけかたく法もえかたし。
Z08_0393B07: ○心戒上人。四國修行のあいだ。或百姓の家の壁に
Z08_0393B08: 書き付て云。念佛者ならで念佛申して。往生をとぐべ
Z08_0393B09: し云云。
Z08_0393B10: ○念佛者ならで。人目にた〻ず。名利をもとめぬ
Z08_0393B11: 也。是が至誠心の念佛にて。外のさはりもなき也。
Z08_0393B12: ○顯性房の云。佛たすけ給へと思ふ心を。第一のよき
Z08_0393B13: 心にてあることを。眞實に思ひしること。人ごとにな
Z08_0393B14: きなり。
Z08_0393B15: ○たすけ給へ。此心の大切なる事は。向阿上人の
Z08_0393B16: 往生至要訣。歸命本願抄を見るべし。
Z08_0393B17: ○又云。眞實に此身を佛にまかせたてまつる心をば。
Z08_0393B18: 人ごとにおこさ▲る也。後世のつとめに。暇をおしむ
Z08_0393B19: ものは。一人もなきなり。
Z08_0393B20: ○此身を佛にまかせたてまつる。歸本命願抄

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