浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0392A01: | ○禪勝房云ク。故上人の敎あり。たとひ餘の事をいとな |
Z08_0392A02: | むとも。念佛し。これをするおもひあるべき也。餘事 |
Z08_0392A03: | をしり。念佛せんとおもふべからず。 |
Z08_0392A04: | ○故上人。是も法然上人也。 |
Z08_0392A05: | ○行仙房云ク。或人問テ云ク。我身の無道心をかへり見 |
Z08_0392A06: | て。往生をうらおもふと。涯分を不レ顧。決定往生と思ふ |
Z08_0392A07: | と。いづれがよく候べき。答ニ云ク。我むかし。小藏入道に |
Z08_0392A08: | 謁したりき。往生は最初の一念に決定せり。報命盡き |
Z08_0392A09: | ざれば。依身の未だ消へざるばかり也と申されしが。 |
Z08_0392A10: | 勝の往生を。とげられき。熊谷入道も。此定に被申ける |
Z08_0392A11: | 殊となん承る。禪勝房。又。生あるもの〻必ず死するが |
Z08_0392A12: | ごとく。往生にをきては。決定也と被レ申けるが。殊勝の |
Z08_0392A13: | 往生をとげられたり。此兩三人は。同上人面授の人々 |
Z08_0392A14: | にて。彼御敎訓也。しかれば決定往生の思を可レ成ス也。 |
Z08_0392A15: | 慈心上人問。行仙上人答。 |
Z08_0392A16: | ○うらおもふ。慮の字にて。氣づかひの事。○涯分。 |
Z08_0392A17: | 我身の分齊なり。○小藏入道に謁したりき。園田 |
Z08_0392A18: | 太郞號ス二智明房ト一。謁はあへる事也。○最初の一念 |
Z08_0392A19: | はじめて信受せし心念なり。○報命。た▲命の事也。 |
Z08_0392A20: | 資持記ニ云ク。命之延促ハ。宿因ノ所レ招ク。故ニ云二報命ト一。已上 |
Z08_0392B01: | ○熊谷入道。蓮生房。○此兩三人。小藏入道。蓮生 |
Z08_0392B02: | 房。禪勝房の事也。 |
Z08_0392B03: | ○鎭西の本覺房。明遍に奉テレ問ヒ云ク。心もし散漫せば。 |
Z08_0392B04: | 其時の稱名善にあらず。心をしづかにして。のち可レ |
Z08_0392B05: | 唱フ也と申し候は。いか▲可二用意ス一らん。答ニ云ク。其は |
Z08_0392B06: | 上機にてぞ候はん。空阿彌陀佛がごときの下機は。心 |
Z08_0392B07: | をしづむる事は。いかにもかなひがたければ。念殊の |
Z08_0392B08: | 緖をつよくして。亂不亂を不レ論ゼ。くりゐてこそ候へ。 |
Z08_0392B09: | 心のしづまらん時と思はんには。堅固念佛申さぬも |
Z08_0392B10: | のにてこそ候はんずれ。 |
Z08_0392B11: | ○散漫。萬境に心のちる也。○上機。すぐれたる |
Z08_0392B12: | 心也。○下機。なみの心也。○空阿彌陀佛。明遍僧 |
Z08_0392B13: | 都也。○いかにも。いかにとしても。 |
Z08_0392B14: | ○高野の明遍僧都。善光寺參諸のかへりあしに。法然 |
Z08_0392B15: | 上人に對面。僧都問テ云テ。いか▲して。今度生死をはな |
Z08_0392B16: | るべく候。上人の云ク。念佛申してこそは。問給はく。誠 |
Z08_0392B17: | にしかり。但妄念おこるをばいか▲仕り候べき。上人 |
Z08_0392B18: | 答テ云ク。妄念おこれども。本願力にて往生するなり。僧 |
Z08_0392B19: | 都。さうけ給りぬとて。出給ひぬ。上人つぶやきて云ク。 |
Z08_0392B20: | 妄念おこさずして。往生せんとおもはん人は。むまれ |