浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0391A01: | ずるなり。 |
Z08_0391A02: | ○箆。箭にする竹也。倭名鈔ニ云ク。唐韻ニ云ク。箆音昆名 |
Z08_0391A03: | 和倭箭。竹ノ名也。已上○よこめをせざればとく成ずる |
Z08_0391A04: | 也。餘行に目をかけねば。專修がはやく成就する也。 |
Z08_0391A05: | ○又云ク。凡夫は歷緣對境の。名利をば可レ發ス也。但往生 |
Z08_0391A06: | の解行につきては。一向眞實なるべし。 |
Z08_0391A07: | ○歷緣對境の名利。緣にふれ。境に對して。自然に |
Z08_0391A08: | おこる名聞利養なり。それはさのみ往生の障にあ |
Z08_0391A09: | らず。 |
Z08_0391A10: | ○又云ク。辨阿(聖光上人ナリ)は助け給へ阿彌陀佛と。心にも |
Z08_0391A11: | おもひ。口にもいふなり。 |
Z08_0391A12: | ○助給へ。決答ニ云ク。先師ノ定言ニ云ク。助ケ給ヘ阿彌 |
Z08_0391A13: | 陀佛云云。有ル時示M(シテ)レ予ニ云ク。凡ソ諸師之習。有二最要之 |
Z08_0391A14: | 一言一。善導ハ本願往生。慧心ハ因明直辨也。辨阿ハ助ケ給ヘ |
Z08_0391A15: | 阿彌陀佛ト。心ニモ思ヒ口ニモ云フ也ト。實ナル哉。此ノ言賢ナル |
Z08_0391A16: | 哉。此ノ心仰テ顧ニ二先師ノ口決ヲ一。落涙千行云云。助ケ |
Z08_0391A17: | 給ト思ヘハ。滅罪ノ邊モ籠リ。生善ノ邊モ收リ。出離ノ方モ籠リ。 |
Z08_0391A18: | 往生モ方ニ收リ本願ノ至心信樂。彌無キ二疑殆一者歟。已上 |
Z08_0391A19: | ○又云ク。(出二于決答一)故上人の〻たまひしは。往生のために |
Z08_0391A20: | 念佛を申す時。この念佛の行。心に大要におぼえて。行 |
Z08_0391B01: | ずるに付て。勇ありて。つねに念佛の申したらんをば。 |
Z08_0391B02: | 我身にすでに三心をぐ(具)せりとおもふべきなり。 |
Z08_0391B03: | ○故上人。法然上人の事也。 |
Z08_0391B04: | ○然阿上人の云ク。三心を具せざる者も。おして決定往 |
Z08_0391B05: | 生と思へば。この故實によりて。はじめて三心をぐす |
Z08_0391B06: | る也。 |
Z08_0391B07: | ○然阿上人。良忠上人也。○おして決定。此おし |
Z08_0391B08: | てといふが肝要なり。一枚起請の所詮も。決定の二 |
Z08_0391B09: | 字なり。 |
Z08_0391B10: | ○又云ク。凡そ淨土宗の元意。助給へ阿彌陀佛とおもふ |
Z08_0391B11: | にすぎず。 |
Z08_0391B12: | ○淨土宗の元意。願文の安心は三心也。觀經の三 |
Z08_0391B13: | 心は彌陀經の一心なり。その一心はたすけ給への |
Z08_0391B14: | 一念なり。 |
Z08_0391B15: | ○又云ク。(出二鎌倉宗要一。)かなしき哉。因果を信ずる者は。他力の |
Z08_0391B16: | 信よはく。本願を信ずる者は。因果の理ゆるし。庶幾は |
Z08_0391B17: | もはら(專)本願を信じ。かねて因果を信ぜよ。すなはち |
Z08_0391B18: | 佛意にかなひて。往生をとぐべきものなり。 |
Z08_0391B19: | ○因果を信ずる。他力をうたがふは偏見なり。因 |
Z08_0391B20: | 果をやぶるは邪見なり。かねて信ずるは正見なり。 |