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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0391A01: ずるなり。
Z08_0391A02: ○箆。箭にする竹也。倭名鈔。唐韻。箆音昆
Z08_0391A03: 和倭箭。竹名也。已上○よこめをせざればとく成ずる
Z08_0391A04: 也。餘行に目をかけねば。專修がはやく成就する也。
Z08_0391A05: ○又云。凡夫は歷緣對境の。名利をば可也。但往生
Z08_0391A06: の解行につきては。一向眞實なるべし。
Z08_0391A07: ○歷緣對境の名利。緣にふれ。境に對して。自然に
Z08_0391A08: おこる名聞利養なり。それはさのみ往生の障にあ
Z08_0391A09: らず。
Z08_0391A10: ○又云。辨阿(聖光上人ナリ)は助け給へ阿彌陀佛と。心にも
Z08_0391A11: おもひ。口にもいふなり。
Z08_0391A12: ○助給へ。決答。先師定言。助阿彌
Z08_0391A13: 陀佛云云。有時示M(シテ)。凡諸師之習。有最要之
Z08_0391A14: 一言。善導本願往生。慧心因明直辨也。辨阿
Z08_0391A15: 阿彌陀佛。心ニモニモ。實ナル哉。此言賢ナル
Z08_0391A16: 哉。此心仰先師口決。落涙千行云云。助
Z08_0391A17: ヘハ。滅罪。生善。出離
Z08_0391A18: 往生本願至心信樂。彌無疑殆者歟。已上
Z08_0391A19: ○又云(出于決答故上人の〻たまひしは。往生のために
Z08_0391A20: 念佛を申す時。この念佛の行。心に大要におぼえて。行
Z08_0391B01: ずるに付て。勇ありて。つねに念佛の申したらんをば。
Z08_0391B02: 我身にすでに三心をぐ(具)せりとおもふべきなり。
Z08_0391B03: ○故上人。法然上人の事也。
Z08_0391B04: ○然阿上人の云。三心を具せざる者も。おして決定往
Z08_0391B05: 生と思へば。この故實によりて。はじめて三心をぐす
Z08_0391B06: る也。
Z08_0391B07: ○然阿上人。良忠上人也。○おして決定。此おし
Z08_0391B08: てといふが肝要なり。一枚起請の所詮も。決定の二
Z08_0391B09: 字なり。
Z08_0391B10: ○又云。凡そ淨土宗の元意。助給へ阿彌陀佛とおもふ
Z08_0391B11: にすぎず。
Z08_0391B12: ○淨土宗の元意。願文の安心は三心也。觀經の三
Z08_0391B13: 心は彌陀經の一心なり。その一心はたすけ給への
Z08_0391B14: 一念なり。
Z08_0391B15: ○又云(出鎌倉宗要。)かなしき哉。因果を信ずる者は。他力の
Z08_0391B16: 信よはく。本願を信ずる者は。因果の理ゆるし。庶幾は
Z08_0391B17: もはら(專)本願を信じ。かねて因果を信ぜよ。すなはち
Z08_0391B18: 佛意にかなひて。往生をとぐべきものなり。
Z08_0391B19: ○因果を信ずる。他力をうたがふは偏見なり。因
Z08_0391B20: 果をやぶるは邪見なり。かねて信ずるは正見なり。

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