浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0390A01: | ○煩惱。心におこる三毒也。○罪障。身と口とに |
Z08_0390A02: | なしつる惡業なり○聲につきて。南無阿彌陀佛と |
Z08_0390A03: | いづるこゑは。みな彌陀の本願に順ずるがゆへな |
Z08_0390A04: | り。向阿上人云ク。異香よりも紫雲よりも。南無阿彌 |
Z08_0390A05: | 陀佛と〻なふるこゑに。すぎたる往生のしるしや |
Z08_0390A06: | は侍るべき云云。 |
Z08_0390A07: | ○又云ク。一念を不定に思ふは。念々の念佛ごとに。不信 |
Z08_0390A08: | の念佛になる也。其故は。阿彌陀佛は。一念に一度の |
Z08_0390A09: | 往生をあておきたまへる願なれば。念ごとに往生の |
Z08_0390A10: | 業となるなり。 |
Z08_0390A11: | ○一念一度の往生。願成就の文に。乃至一念とあ |
Z08_0390A12: | り。二こゑにをよばずして。氣たえたらんものも。む |
Z08_0390A13: | まる〻本願なれば。一念に一度往生の德ある也。 |
Z08_0390A14: | ○又云ク。あの阿波介が念佛も。源空が念佛も。またく |
Z08_0390A15: | もて同じ念佛也。助けたまへ阿彌陀佛とおもふ外は。 |
Z08_0390A16: | 別の念をおこさ▲る也。 |
Z08_0390A17: | ○阿波介が念佛。此男もとは隱陽師なりしが。上 |
Z08_0390A18: | 人に歸依して弟子となる。きはめてをろかなりし |
Z08_0390A19: | もの也。念佛に申すやうなし。智者の申すも。愚者の |
Z08_0390A20: | 申すもおなじ事也。 |
Z08_0390B01: | ○又云ク。往生極樂を。まめやかにおもひ入たる人のけ |
Z08_0390B02: | しきは。世間を一くねりうらみたる色にて。常にはあ |
Z08_0390B03: | るなりと云云。 |
Z08_0390B04: | ○まめやか。正首の字にて。げに〱しき事也。○ |
Z08_0390B05: | 一くねり。ねがふ心ふかければ。自然に世をいとふ |
Z08_0390B06: | がゆへなり。○た▲しつくりて。くねりがほせよと |
Z08_0390B07: | にはがああらず。 |
Z08_0390B08: | ○又云ク。往生は決定と思へば定て生る。不定とおもへ |
Z08_0390B09: | ば不定なり。 |
Z08_0390B10: | ○決定とおもへば。何の仔細もなく。此たび決定 |
Z08_0390B11: | 往生とおもひつめて申すべし。そのつよき心にて |
Z08_0390B12: | 往生は手にとるがごとし。 |
Z08_0390B13: | ○法然上人。御往生の後。三井寺の住心房に。夢の中に |
Z08_0390B14: | とはれても。あみだ佛はまたく(全)風情もなし。たゞ |
Z08_0390B15: | 申すなりと上人こたへたまひけり。 |
Z08_0390B16: | ○三井寺の住心房。寺法師にて。往生の心ざしふか |
Z08_0390B17: | かりしゆへ。夢の中に法然上人にあひ奉りて。念佛 |
Z08_0390B18: | の申やうを。とはれし時の御返答なり。 |
Z08_0390B19: | ○聖光上人云ク。箆をたむるに。片目をふさぎてよくた |
Z08_0390B20: | めらる〻樣に。一向專修も。よこめをせざればとく成 |