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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0387A01: 方便。應早速。何アテカ論談セン。行者
Z08_0387A02: 爾也。旦暮難知。不餘言M(シテ)念佛セハ。當
Z08_0387A03: 一レ證。已上無常すみやかにして。地獄とほからず。はや
Z08_0387A04: く念佛に取つくべし。○なまさかしき。あたら本
Z08_0387A05: 願にあひながら。機もつたなし。心もよはし。行もゆ
Z08_0387A06: るしなどいひて。はか〲敷念佛申す事はなし。是
Z08_0387A07: はなま物じりの智慧にそこなはる〻なり。
Z08_0387A08: ○敬佛上人云。今度。法印御房を見たてまつるに。日
Z08_0387A09: 來の所存をかへたる也。させる事もなかりける事を。
Z08_0387A10: 樣がましく思ひける也。誠にほれ〱と(ヲロカナル義ナリ)
Z08_0387A11: 佛するには不如云云。
Z08_0387A12: ○法印御房明禪法印なるべし。○日來の所存を
Z08_0387A13: へたる也。日比。かの法印の行は。さぞめづらしき事
Z08_0387A14: ならんとおもひつるに。つきそひてみれば。た▲う
Z08_0387A15: ちかたぶきて念佛せらる〻ばかり也。さらに奧ふか
Z08_0387A16: き樣子もなし。かねての推量にはたがひてある也。
Z08_0387A17: ○然阿上人云。別時まではなくとも。六時禮讚の次で
Z08_0387A18: の念佛。心すまん時などは。別に用心して。見佛の思
Z08_0387A19: に住すべし云云。
Z08_0387A20: ○別時まではなくとも。念佛者に三種の行儀とい
Z08_0387B01: ふ事あり。その內の別時といふは。潔齋して念佛申
Z08_0387B02: す事也。○用心して。是を用心念佛といふ。○見佛の
Z08_0387B03: おもひ。阿彌陀佛を見たてまつらんとおもふ也。
Z08_0387B04: ○又云。聖光上人は。談議の最中にも。日中の時きた
Z08_0387B05: れる時は。一文一句をも誦しさして。やがてあみだ經
Z08_0387B06: をはじめ。禮讚念佛を行じまし〱き。同聞の聽衆も。
Z08_0387B07: 心ならず各別に禮讚をしき云云。
Z08_0387B08: ○談議の最中にも。是を以てしるべし。學問は末
Z08_0387B09: にして。行法は本なる事を。誠に後學の摸範とする
Z08_0387B10: にたれり。學問を好て寢食をわする〻人はあれど
Z08_0387B11: も。行法を詮として學問をさしをく人はなし。
Z08_0387B12: ○乘願上人云。或人問。色相觀は觀經の說なり。
Z08_0387B13: たとひ稱名の行人といふとも。これを觀ずべく候歟
Z08_0387B14: 如何。上人答。源空もはじめは。さるいたづら事し
Z08_0387B15: たりき。今はしからず。但信稱名なり。
Z08_0387B16: ○色相觀。極樂の依正二報のありさまを觀ずる
Z08_0387B17: 事也。●此御返答の心は。尤觀經の說にて正行な
Z08_0387B18: れども。人の心さはがしくして。その觀じかた成就
Z08_0387B19: し。かつは本願にもあらず。た▲御名をとなふべし
Z08_0387B20: と也。○さるいたづら事。そのやうなる無益の事

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