浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0388A01: | といふ心也。○但信稱名。うちかたぶきて御名を |
Z08_0388A02: | となふる事也。 |
Z08_0388A03: | ○明禪法印云ク。た▲よく念佛すべし。石に水を(此喩出二于運命 |
Z08_0388A04: | 論ニ一)かくるやうなれとも申さば益ある也。 |
Z08_0388A05: | ○石に水。口ばかりにて。心にしまぬたとへなり。 |
Z08_0388A06: | われながら殊勝氣なくとも。た▲中に申せば。かの |
Z08_0388A07: | 聲み〻に入て。遂には信心を申しいだす也。其音叩クレ |
Z08_0388A08: | 心ヲといふ是なり。 |
Z08_0388A09: | ○法然上人云ク。稱名念佛は。樣なきを樣とす。身の振 |
Z08_0388A10: | 舞。心の善惡をも沙汰せず。念比に申せば往生する也。 |
Z08_0388A11: | ○樣なきを樣とす申やう也。念佛申には。何の沙汰 |
Z08_0388A12: | もなし。○身のふるまひ。士農工商。萬のいとなみ。 |
Z08_0388A13: | ○心の善惡。煩惱妄念のおこるおこらぬ。○沙汰 |
Z08_0388A14: | 取捨の義也。 |
Z08_0388A15: | ○又云ク。十聲一聲等の釋は。念佛を信ずる樣。念々不 |
Z08_0388A16: | 捨者等は。念佛を行ずる樣なり。 |
Z08_0388A17: | ○十聲一聲等の釋。禮讚ニ云ク。上盡二一形ヲ一。下至テ二十 |
Z08_0388A18: | 聲一聲等ニ一。以二佛願力ヲ一。易レ得二往生一。已上○念々不捨者。 |
Z08_0388A19: | 散善義ニ云ク。行住坐臥。不レ問二時節ノ久近ヲ一念々ニ不ルレ |
Z08_0388A20: | 捨者。是ヲ名二正定之業ト一。順二彼ノ佛願ニ一故ニ。已上 |
Z08_0388B01: | ○賀古敎信は。西には垣もせず。極樂と中をあけあは |
Z08_0388B02: | せて。本尊をも安ぜず。聖敎をも持せず。僧にもあらず。 |
Z08_0388B03: | 俗もあらぬ形にて。つねに西にむかひて念佛して。其 |
Z08_0388B04: | 餘は忘れたるがごとし。 |
Z08_0388B05: | ○賀古敎信。賀古は播磨の郡の名也。敎信の事は。 |
Z08_0388B06: | 保胤の往生記。十因などに見えたり。○本尊をも安 |
Z08_0388B07: | ぜず。安は安置也。○俗にもあらず。妻子あるがゆ |
Z08_0388B08: | へに。○俗にもあらず。剃染の形なれば也。 |
Z08_0388B09: | ○淨土谷の法蓮上人は。資緣省略のうへ。形のごとく |
Z08_0388B10: | の朝喰し。往生極樂のつとめにわすられて。世のつね |
Z08_0388B11: | ならず。是がために。これをいとなむ念佛。心に入とき |
Z08_0388B12: | は。飯にもあらず。粥にもあらぬ體なり。年にしたがひ。 |
Z08_0388B13: | 日を〻ひて容顏おとろへ。身力つきぬ。良友たづねき |
Z08_0388B14: | たりて訪し返事ニ云ク。(これを空也の歌といふは。附會の說なるべし。いかにも法蓮のよみ給へる |
Z08_0388B15: | 歌と見ゆ)西へ行く。すち一つたにたかはすは。骨と皮とに |
Z08_0388B16: | 身はならはなれ。 |
Z08_0388B17: | ○淨土谷。洛東淨土寺山の北の谷なり。されぼ白 |
Z08_0388B18: | 川の法蓮房ともいへり。○資緣省略。衣食道具か |
Z08_0388B19: | ろく。つ▲まやかにし給へる也。 |
Z08_0388B20: | ○朝喰朝夕の飯を。あさげゆふげといふ。○西へ |