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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0386A01: ○大事なることのやすきなり。大事とおもひて。
Z08_0386A02: ます〱はげむべし。やすしと心得て卑下する事
Z08_0386A03: なかれ。
Z08_0386A04: ○乘願上人云。善導を仰がん人は。名號よりほかのこ
Z08_0386A05: とは。行ずべきにあらず。さればとて。よりこん所の善
Z08_0386A06: 根の。念佛の障礙とならざらんほどの事をば。値遇結
Z08_0386A07: 緣すべきなり。きらへばとて。いま〱しき事の樣に
Z08_0386A08: はおもふべからず。行ずべければとて。念佛のいとま
Z08_0386A09: を入べからず。
Z08_0386A10: ○よりこんところの善根。緣ありて。なすべきも
Z08_0386A11: ろ〱の善事なり。一家の人などの堂をたて。佛を
Z08_0386A12: つくり。經をかき。僧をも供養せんには。ちからをく
Z08_0386A13: わへ。緣をむすぶべし。念佛をもさまたげず。專修
Z08_0386A14: もやぶれず。これ法然上人の御義なり。○きらへば
Z08_0386A15: とて。餘善をきらふ事は。ひたすら念佛せんがた
Z08_0386A16: め也。餘善にとがのあるにはあらず。○行ずればと
Z08_0386A17: て。念佛を主人のごとくし。餘善を眷屬とすべし。
Z08_0386A18: ○正信上人云。念佛宗は義なきを義とする也。
Z08_0386A19: ○義なきを義とす。念佛往生に別の子細なしと
Z08_0386A20: いふが。淨土宗の義門なり。
Z08_0386B01: ○禪勝房云。所詮淨土門の大意は。往生極樂は。やす
Z08_0386B02: き事と心得るまでが大事なる也。やすしと心えつれ
Z08_0386B03: ば。かならずやすかるべき也。然るを近代の學生の異
Z08_0386B04: 義まち〱なるは。聖敎甚深なれば。邪正わきまへが
Z08_0386B05: たし。但上人の仰には。さしもの事はなかりき。
Z08_0386B06: ○やすき事と心得るまでが大事なる也。他宗の心あ
Z08_0386B07: れば。凡夫の往生が六ケ敷事になる也。をろかなる
Z08_0386B08: 者は。わが身の愚惡に卑下し。心行のつたなきにつ
Z08_0386B09: きて。往生がむつかしくなる也。それを思ひきる時。
Z08_0386B10: 決定とおもへは決定なり。○近代。法然上人の御
Z08_0386B11: 滅後也。○上人の仰。法然上人の仰也。○さしもの
Z08_0386B12: 事。それほどまで。子細がましき事はなかりし也。
Z08_0386B13: ○松蔭顯性房云。渡に出たる舟に行あひたるには。
Z08_0386B14: 先づつかみつきてのるほかに別の手なし。今生の愛
Z08_0386B15: 河をわたらんと思ふに。彌陀の本願の出船を聞き得
Z08_0386B16: つる上には。仰信して稱名するほかには。別の樣なき
Z08_0386B17: 也。なまざかしき智慧に損ぜらる〻事を。眞實におも
Z08_0386B18: ひ知ること。人ごとになきなり。
Z08_0386B19: ○先づかみつきて。蓮宗寶鑑。逢舟濟フニ
Z08_0386B20: 論之難。詎遲凝已上十因。人値急難

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