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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0384A01: ○臨終
Z08_0384A02: ○有云。我臨終の時は。すは只今とみゆるはなどいふ
Z08_0384A03: べからず。無始よりおしみならひたる命なれば。心ぼ
Z08_0384A04: そく覺ゆる事もあらむか。た▲念佛をす〻むべき也。
Z08_0384A05: ○有云。故寂願房云。所勞の時。敬佛房談M(シテ)。在家
Z08_0384A06: のもの〻やぶさめならす時は。さま〲に儀式作法
Z08_0384A07: を。ならべて習へども。まさしく其日にあたりて。す
Z08_0384A08: ぐに射んとて。はたと馬を出しつるうへは。相構ヘテ
Z08_0384A09: あてむと思ふ外は他事なき也。其定に日ごろは。後世
Z08_0384A10: の事。とかくこのみ習ひぬれども。いますでに病床に
Z08_0384A11: のぞみたり。他念なく念佛して。往生せむと思ひ取り
Z08_0384A12: 給ふべしと候ひし也。
Z08_0384A13: ○故寂願房。故沒故の義なり。もとの寂願房いと
Z08_0384A14: ふ心なり。○やぶさめ。流鏑馬とかくなり。馬上に
Z08_0384A15: て的をいる事なり。○ならす。下ならしなり。
Z08_0384A16: ○敬佛上人最後の所勞の時云。死期三日已前僧都御房の。佛助
Z08_0384A17: 給へと。思ふ外は要にあらずと被仰し事をさしもや
Z08_0384A18: (うたがふことば也)と。思ひしが。今こそおもひしらるれ。不淨觀
Z08_0384A19: も平生の時のこと也。東城寺の阿耨房が。式の法文を
Z08_0384A20: 習ふは。猿樂をするにてこそあれと云ふ。今ぞ思ひし
Z08_0384B01: らる〻云云。
Z08_0384B02: ○僧都御房。明遍の事也。○不淨觀。わが身の不
Z08_0384B03: 淨を觀じて。執著をきる也。○東城寺。常州。○式の
Z08_0384B04: 法文。聖道家にある事也。法事の時の講式也それ
Z08_0384B05: ぞれにふしをならふゆへかくいふ也。
Z08_0384B06: ○念佛
Z08_0384B07: ○有云。惠心僧都。伊勢太神宮へまいりて。七ケ日參籠
Z08_0384B08: はつる夜の夢に。寶殿の御戶たちまちにひらけて。ゆ
Z08_0384B09: ゆしげなる貴女一人いでたまへり。示云。太神宮は本
Z08_0384B10: (常住ノ性法ノ理由)の都へかへりおはします。これは御留守に
Z08_0384B11: 侍るものなり。末代の衆生。出離の要道をたづぬる事
Z08_0384B12: あらば。彌陀佛を念ぜよとす〻むべきよし。おほせを
Z08_0384B13: かれ侍る。
Z08_0384B14: ゆ〻しげなる。此ゆ〻しは。すぐれてほめたるこ
Z08_0384B15: とば也。○本覺の都へかへりおはします。これは時
Z08_0384B16: に應じて。此人にほどこし給ふ方便の御示現なり
Z08_0384B17: 云云。又御入定の間の事歟。○彌陀佛を念ぜよ。山
Z08_0384B18: 王。熊野。賀茂。八幡みな念佛をよろこび給へり。
Z08_0384B19: ○有云。蓮阿彌陀佛が夢に。八幡宮つげてのたまはく。

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