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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0382A01: かも思ひよせたる氣色もなきなり。ましてうちふる
Z08_0382A02: まひたるありさまなど。よにおもふ事もなげにみゆ
Z08_0382A03: るなり。さればた▲無常のことはりも。いかにいはん
Z08_0382A04: には。ニハ𪜈ノよるべからず。いさ〻かなりとも。心に
Z08_0382A05: のせてうへの事也。
Z08_0382A06: ○世間の不定に。世間も不定なり。此身もあだな
Z08_0382A07: りと也。○あぶなかりぬべき。わが身にやまひを
Z08_0382A08: うけたる時。又人の死をきく時。世のさはがしき時
Z08_0382A09: など也。○うちふるまひたる。つねになすわざ。支
Z08_0382A10: 度する事。おほかた常住のおもひあるに似たりと
Z08_0382A11: 也。○いかにいはんには。是はいふといはぬとには
Z08_0382A12: とあるべきを。かぎあやまりたるなるべし。無常は。
Z08_0382A13: 口にいふにはよらず。心にかけての事也。(一義)
Z08_0382A14: ○聖光上人云。日來隨分に後世をおもふ樣なるもの
Z08_0382A15: の行業など退轉する事あらば。死期のちかづきたる
Z08_0382A16: とおもふべきなり。
Z08_0382A17: ○死期のちかづきたる。久しからずして死すべ
Z08_0382A18: しとおもへば修行もす〻む也。
Z08_0382A19: 標註一言芳談抄卷第一終
Z08_0382B01: 標註一言芳談抄卷第二
Z08_0382B02: ○念死
Z08_0382B03: ○敬佛房或時被仰云。〓年來死をおそれざる理を。この
Z08_0382B04: みならひつる力にて。此所勞もすこしよき樣になれ
Z08_0382B05: ば。しなでやあらんずらんと。きものつぶる〻也。され
Z08_0382B06: ばこそ御房達の。かご負一も。よくしてもたんと。しあ
Z08_0382B07: ひ給ひたるを制したてまつれ。た▲いまはなに事な
Z08_0382B08: き樣なれども。つゐには生死の餘執となるべき也。し
Z08_0382B09: かれば。あひかまへてつねに。此身をいとひにくみて。
Z08_0382B10: 死をもねがふ意樂をこのむべきなり。
Z08_0382B11: ○所勞。病氣の事也。かご負。修行者の背にか
Z08_0382B12: くるおゐなり。○此身をいとひにくみて。○臨終
Z08_0382B13: 要決にも。須一レルヿヲ死とあり。遺敎經
Z08_0382B14: 。此罪惡之物。假。沒-在セリ
Z08_0382B15: 病生死大海。何知者。得-滅スルヿヲ。如M(シテ)
Z08_0382B16: 怨賊。而歡喜已上
Z08_0382B17: ○又云。世間出世至極。た▲死の一事也。しなばしねと
Z08_0382B18: だに存ずれば。一切に大事はなき也。この身をあい(愛)
Z08_0382B19: し。命をおしむより。一切のさわりはおこることなり。

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