浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0381A01: | ○裘荷。つ〻らかわごのたぐひ。○籠負。竹のか |
Z08_0381A02: | ごのおひなり。修行者のおひまはるもの也。○故實。 |
Z08_0381A03: | 故事の實なるもの也。○生涯。涯は際(キワ)なり。一 |
Z08_0381A04: | 生のかぎりをいふ。○忍がたきことも。新拾遺の |
Z08_0381A05: | 歌に。世のうさもいかはかりかはなけかれん。は |
Z08_0381A06: | かなきゆめとおもひなさすは。新續古今に。是もま |
Z08_0381A07: | たありてなき世と思ふをそ。うきをりふしのなく |
Z08_0381A08: | さめにする。兼好家集に。うきこともしはしはかり |
Z08_0381A09: | の世の中を。いくほといとふわと身なるらん。○此 |
Z08_0381A10: | 理。無常の道理也。○詮要。所詮肝要なり。 |
Z08_0381A11: | ○解脫上人云。一年三百六十日は。みな無常にしたが |
Z08_0381A12: | ふべきなり。しかれば日夜十二時は。しかしながら終 |
Z08_0381A13: | 焉のきざみと思ふべし。 |
Z08_0381A14: | ○一年三百六十日。一年の日の內に。吉日といへ |
Z08_0381A15: | ども。人のしなぬ日といふはなし。禮讚に。一切臨終 |
Z08_0381A16: | 時とあるを。良忠上人の記に。時々尅々に。臨終の |
Z08_0381A17: | おもひをなすと釋し給へり。 |
Z08_0381A18: | ○敬佛房云。或時心佛房に示M(シテ)云。世間の鍜冶番匠等が |
Z08_0381A19: | 其道を傳ふる事かならずしもこと〲く敎えねど |
Z08_0381A20: | も。其中に宗とあることをしれば。其道を傳えたりと |
Z08_0381B01: | いふぞかし。其定に。此二三年そひたるしるしには。世 |
Z08_0381B02: | をのがれたる身にて。無常を忘れずしてだにあらば。 |
Z08_0381B03: | 本意なるべし。 |
Z08_0381B04: | ○そひたる。敬佛房。心佛房につきそひ給へる也。 |
Z08_0381B05: | ○有云。比叡の御社に。いつはりて。かんなぎのまねし |
Z08_0381B06: | たるなま女房の。十禪師の御前にて夜うち深。人しづ |
Z08_0381B07: | まりて後。ていとう〱とつ▲みをうちて。心すまし |
Z08_0381B08: | たる聲にて。とてもかくても候。なう〱とうたひけ |
Z08_0381B09: | り。其心を人にしゐ問れて云。生死無常の有樣を思ふ |
Z08_0381B10: | に。此世の事は。とてもかくても候。なう後世をたすけ |
Z08_0381B11: | 給へと申すなり云云。 |
Z08_0381B12: | ○比叡の御社。山王權現の事也。七社の中の大宮 |
Z08_0381B13: | 二宮を大比叡。小比叡といふ。ひえの山のふもとに |
Z08_0381B14: | あり。○かんなぎ。巫女とかく。みこの事也。○な |
Z08_0381B15: | ま女房。生媚こびたる義也。○十禪師。是も山王 |
Z08_0381B16: | 七社の。第六番目の社なり。 |
Z08_0381B17: | ○敬佛房云。某は事にふれて。世間の不定に。此身の |
Z08_0381B18: | あだなる事をのみ思ふあひだ。折節につけて。起居の |
Z08_0381B19: | ふるまひまでに。あやうき事おほくおぼゆるに。御房 |
Z08_0381B20: | たちは。よにあぶなかりぬべきおりふしにも。いさ〻 |