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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0380A01: むへき歟。それもおほくならば。かた〲難あるべき
Z08_0380A02: なり。
Z08_0380A03: ○人をいとふべからず。一向に人をいとふもひが
Z08_0380A04: 事なり。ひとりすめば懈怠になるを。よき師友にそ
Z08_0380A05: へば。わが心をはげます因緣なり。かの西仙房の事。
Z08_0380A06: 公尊阿闍梨の事を見るべし。黑谷。明惠兩上人の傳
Z08_0380A07: にあり。又ひとへに。塵俗にまじはれば。緣にふれて
Z08_0380A08: 道心もさめやすし。家しづかなればおのづから道
Z08_0380A09: も。をこなはる〻也。佛話經。比丘在レハ聚落
Z08_0380A10: 身口精勤ナレ𪜈。諸佛皆憂ヘ玉フ。比丘在。息
Z08_0380A11: スル。諸佛皆喜玉フト已上永嘉。未而先
Z08_0380A12: セハ。但見。必忘ント已上
Z08_0380A13: かくのごどく佛祖の敎誡。をの〱一義によるも
Z08_0380A14: の也。法然上人云。ひとりゐて念佛申されずば。同行
Z08_0380A15: と共行して申すべし。共行して申されずば。一人こ
Z08_0380A16: もりゐて申べし。云云
Z08_0380A17: ○無常
Z08_0380A18: ○御法然上人。或人にをしへて云。人の命は。うまき物
Z08_0380A19: を大口にくひて。むせてしぬる事もあるなり。しかれ
Z08_0380B01: ば。南無阿彌陀佛とかみて。南無阿彌陀佛とて。くと。の
Z08_0380B02: み入るべし。
Z08_0380B03: ○法然上人。此御ことば御傳二十一にあり。無常
Z08_0380B04: のことはりにて。無間修の御す〻めなり。龍舒居士
Z08_0380B05: 。凡起居飮食。語默動靜。皆不ルM(トキ)ハ淨土。則
Z08_0380B06: 身雖五濁。而其心已淨土已上
Z08_0380B07: ○敬佛房云。裘荷籠負など執しあひたるは。彼を用い
Z08_0380B08: る本意をしらざる也。あひかまへて。今生は一夜のや
Z08_0380B09: どり。夢幻の世。とてもかくてもありなんと。眞實に
Z08_0380B10: 思ふべきなり。後世をおもふ故實には。生涯をかろく
Z08_0380B11: し。いきてあらんこと今日ばかり。た▲いまばかりと
Z08_0380B12: 眞實に思ふべき也。かく思へば。忍びがたきことも。や
Z08_0380B13: すくしのばれて後世のつとめもいさましき也。かり
Z08_0380B14: そめにも一期を久からむずる樣にだに存じつれば。
Z08_0380B15: 今生の事。おもくおぼへて。一切の無道心のこと出で
Z08_0380B16: 來る也。某は三十餘年。此理をもて相助て。今日まで僻
Z08_0380B17: 事をしいださ▲るなり。今年ばかりかとまでは思ひ
Z08_0380B18: しかども。明年までとは存ぜざりき。今は老後也。よろ
Z08_0380B19: づはた▲今日ばかりと覺ゆるなり。出離の詮要。無常
Z08_0380B20: を心にかくるにある也。

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