浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0380A01: | むへき歟。それもおほくならば。かた〲難あるべき |
Z08_0380A02: | なり。 |
Z08_0380A03: | ○人をいとふべからず。一向に人をいとふもひが |
Z08_0380A04: | 事なり。ひとりすめば懈怠になるを。よき師友にそ |
Z08_0380A05: | へば。わが心をはげます因緣なり。かの西仙房の事。 |
Z08_0380A06: | 公尊阿闍梨の事を見るべし。黑谷。明惠兩上人の傳 |
Z08_0380A07: | にあり。又ひとへに。塵俗にまじはれば。緣にふれて |
Z08_0380A08: | 道心もさめやすし。家しづかなればおのづから道 |
Z08_0380A09: | も。をこなはる〻也。佛話經ニ云ク。比丘在レハ二聚落ニ一。 |
Z08_0380A10: | 身口精勤ナレ𪜈。諸佛皆憂ヘ玉フ。比丘在テレ山ニ。息テレ事ヲ安 |
Z08_0380A11: | 臥スル。諸佛皆喜玉フト。已上永嘉ノ曰ク。未タレ得レ道ヲ而先ツ |
Z08_0380A12: | 居セハレ山ニ。但見ク二其ノ山ヲ一。必忘ント二其ノ道ヲ一。已上 |
Z08_0380A13: | かくのごどく佛祖の敎誡。をの〱一義によるも |
Z08_0380A14: | の也。法然上人云。ひとりゐて念佛申されずば。同行 |
Z08_0380A15: | と共行して申すべし。共行して申されずば。一人こ |
Z08_0380A16: | もりゐて申べし。云云 |
Z08_0380A17: | ○無常 |
Z08_0380A18: | ○御法然上人。或人にをしへて云。人の命は。うまき物 |
Z08_0380A19: | を大口にくひて。むせてしぬる事もあるなり。しかれ |
Z08_0380B01: | ば。南無阿彌陀佛とかみて。南無阿彌陀佛とて。くと。の |
Z08_0380B02: | み入るべし。 |
Z08_0380B03: | ○法然上人。此御ことば御傳二十一にあり。無常 |
Z08_0380B04: | のことはりにて。無間修の御す〻めなり。龍舒居士 |
Z08_0380B05: | 云ク。凡テ起居飮食。語默動靜。皆不ルM(トキ)ハレ忘二淨土ヲ一。則 |
Z08_0380B06: | 此ノ身雖レ居ト二五濁ニ一。而其ノ心已ニ在リ二淨土ニ一。已上 |
Z08_0380B07: | ○敬佛房云。裘荷籠負なンど執しあひたるは。彼を用い |
Z08_0380B08: | る本意をしらざる也。あひかまへて。今生は一夜のや |
Z08_0380B09: | どり。夢幻の世。とてもかくてもありなんと。眞實に |
Z08_0380B10: | 思ふべきなり。後世をおもふ故實には。生涯をかろく |
Z08_0380B11: | し。いきてあらんこと今日ばかり。た▲いまばかりと |
Z08_0380B12: | 眞實に思ふべき也。かく思へば。忍びがたきことも。や |
Z08_0380B13: | すくしのばれて後世のつとめもいさましき也。かり |
Z08_0380B14: | そめにも一期を久からむずる樣にだに存じつれば。 |
Z08_0380B15: | 今生の事。おもくおぼへて。一切の無道心のこと出で |
Z08_0380B16: | 來る也。某は三十餘年。此理をもて相助て。今日まで僻 |
Z08_0380B17: | 事をしいださ▲るなり。今年ばかりかとまでは思ひ |
Z08_0380B18: | しかども。明年までとは存ぜざりき。今は老後也。よろ |
Z08_0380B19: | づはた▲今日ばかりと覺ゆるなり。出離の詮要。無常 |
Z08_0380B20: | を心にかくるにある也。 |