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Z0410 標註一言芳談抄 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0379A01: り。衣食住にありあひがよきなり。物をもてあそべ
Z08_0379A02: ば。心ざしをうしなふ。なければ中々心やすきなり。
Z08_0379A03: ○俊乘房云。後世をおもはんものは。じんだがめ一
Z08_0379A04: も。もつまじき物とこそ心えて候へ。
Z08_0379A05: ○しんだがめ。ぬかみそつぼなり。此事くわしく
Z08_0379A06: 沙石集にあり。
Z08_0379A07: ○或上人。〓同法を誡メテ云。物〓なほしがり給ひそ。儲く
Z08_0379A08: るはやすくて。捨つるが大事なるにと云云。
Z08_0379A09: ○捨つるが大事。執がきれかぬるなり。さればむ
Z08_0379A10: かしも。鉢を愛して餓鬼となり。衣を愛して蛇とな
Z08_0379A11: り。笋を愛して蟲となり。花を愛して蝶となれるた
Z08_0379A12: ぐひおほかり。
Z08_0379A13: ○敬佛房云。同朋を呵して云。をのれは荷籠負の足た
Z08_0379A14: めんずるもの也。
Z08_0379A15: ○同朋。同法ともかくなり。おなじく宿する弟子
Z08_0379A16: 等なり。をのれは。よくしてもたんと執する心ある
Z08_0379A17: となり。
Z08_0379A18: ○師友
Z08_0379A19: ○下津村慈阿彌陀佛云。行基曰。常。自
Z08_0379B01: ルヿ主云云。人りのわきに入たるが。心のやすき
Z08_0379B02: ことにてあるなり。
Z08_0379B03: ○行基曰。いふ心は。あやしき柴の庵にすめども。
Z08_0379B04: あるじとなる時はおごる心あり。又何事も身にか
Z08_0379B05: 〻りてむつかしきなり。たとへば。樹に鳥のむれゐ
Z08_0379B06: て梢をからすが如し。た▲いつも人にしたがはん
Z08_0379B07: にはしかじ。空也上人の徒衆をかへりみて。物さわ
Z08_0379B08: がしとのたまへるは。げにもとぞおぼゆる。
Z08_0379B09: ○有云。釋摩訶衍論の中に。一室に二人とも住むべか
Z08_0379B10: らず。たがひになやまし。道を損ずるがゆへなりとい
Z08_0379B11: へり。
Z08_0379B12: ○釋摩訶衍論。釋論第八。言獨一不共因緣
Z08_0379B13: 者。謂メニハンカ止輪門。一界內。二
Z08_0379B14: 人共住スレハ。不ルカ。所以者何トナレハ。互
Z08_0379B15: スルカ故。已上
Z08_0379B16: ○有人云。遁世といふは。けうく人をいとふべからず
Z08_0379B17: 但ゆへなく人をおそる〻。又ひがゐん(僻胤)なり。い
Z08_0379B18: まいとふゆへは。ふかく名利をいとふゆへなり。抑又
Z08_0379B19: 凡夫の行人は。獨身にして難治なるが故に。いたく(甚)
Z08_0379B20: 名利をもよほさぬ同行一兩人。あひかまへてしたし

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