浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0377A01: | の人。庵室にこもりては。心のすむやうなれども。常 |
Z08_0377A02: | 住の念もわすれぬ內は。心のすむといふものには |
Z08_0377A03: | あらず。○幽玄なる樓。風流にしてしづかなるたか |
Z08_0377A04: | どの也。 |
Z08_0377A05: | ○敬日上人の云。遁世に三の口傳あり。一には同宿。二 |
Z08_0377A06: | には同體なる後世者どもの。菴をならべたる所に不レ |
Z08_0377A07: | 可レ住。三には遁世すればとて。日來の有樣をことご |
Z08_0377A08: | としく不レ可レ改云云。 |
Z08_0377A09: | ○同宿 おなじいほりに。やどる事あしきと也。 |
Z08_0377A10: | ○傳敎記文ニ云。後世者の住所は。三間に不レ可レ過。謂。一 |
Z08_0377A11: | 間は持佛堂。一間は住所。一間は世事所なり。 |
Z08_0377A12: | ○後世者の住處。長明がかりの庵。ほどせばしといへ |
Z08_0377A13: | ども。一身をやどすに不足なしといへり。その家の |
Z08_0377A14: | ありさまは方丈記を見るべし。 |
Z08_0377A15: | ○或人。明禪法印にたづね申して云。非人法師は。如何 |
Z08_0377A16: | なる所にか住すべく候らん。仰ニ云。念佛だに申され |
Z08_0377A17: | ば。いかなる所にてもありなん。(下知の詞)念佛のさは |
Z08_0377A18: | りとならん所ぞあしかるべき。但。境界をばはなるべ |
Z08_0377A19: | きなり。 |
Z08_0377A20: | ○念佛だに申されば。この御しめし。法然上人御す |
Z08_0377B01: | すめと同事也。禪勝房にしめし給へる御返事。繪詞 |
Z08_0377B02: | 傳四十五にあり。とかく念佛の申さる〻やうに〓せ |
Z08_0377B03: | よとなり。○境界。 女人ちかきところ。富貴の家の |
Z08_0377B04: | あたり。人立のおほきところ。物さわがしき處など |
Z08_0377B05: | をいふ。尤眷屬の事をもいふ也。 |
Z08_0377B06: | ○有云。乞食修行の次に。我執名聞を遁れて。心しづ |
Z08_0377B07: | かに後世のつとめをもし。終をも取りつくべき依所。 |
Z08_0377B08: | 便宜の德失などをかねて。よく〱思慮し。見さだめ |
Z08_0377B09: | てをくべきなり。後世のこ〻ろなきものは。この案が |
Z08_0377B10: | なきなり。 |
Z08_0377B11: | ○乞食。 鉢にいづることなり。○修行。行脚の事 |
Z08_0377B12: | なり○終をも取りつべき依所。臨終すべきところ |
Z08_0377B13: | なり。○便宜の得失。勝手のよしあし。○この案。 |
Z08_0377B14: | 思案也。案とばかりいふて源氏物語などにおほし。 |
Z08_0377B15: | ○又云。如レ形も非人をたて。心やすく念佛せんと思は |
Z08_0377B16: | んものは。出世の法財なを可レ閣レ之。況や世間の資 |
Z08_0377B17: | (タスク)緣は。あひかまへて〱。事すくなき樣に。ふる |
Z08_0377B18: | まひなすべきなり。はだをもかくし。命をつぐ事も。非 |
Z08_0377B19: | 人の身に相應して。出離の心ざしも。けがさぬやうに |
Z08_0377B20: | たくむべきなり。 |