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Z0400 空花和歌集 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0369A01: 處々云云。○又夢中に佛身を見るも。目出たき事
Z08_0369A02: 也。經釋に見えたり。○又弘願讚云。護念成就す
Z08_0369A03: る故に。臨終正念歡喜して。南無阿彌陀佛と〻な
Z08_0369A04: ふれば。佛は來迎し給へり云云。是は臨終の見佛
Z08_0369A05: なり。
Z08_0369A06:
Z08_0369A07: 露の身はこ〻かしこにてきえぬとも
Z08_0369A08: こ〻ろはおなし花のうてなそ
Z08_0369A09: 此歌繪詞傳第三十四卷にあり。上人讚州へうつり
Z08_0369A10: 給ふ時。月輪禪閤。御名殘やるかたなく思ひて。御消
Z08_0369A11: 息を送られ。
Z08_0369A12: ふりすて〻ゆくはわかれのはしなれと
Z08_0369A13: .ふみわたすへきことをしそおもふ
Z08_0369A14: とありしに。上人の返歌。すなはち此歌なり。心は明
Z08_0369A15: なり。露の身といへるは。あだなる義なり。消えぬと
Z08_0369A16: いふも緣の語なり。上下の句に。身と心をわけ。露と
Z08_0369A17: 花とをむすび給へり。一蓮托生の御契り淺からぬ
Z08_0369A18: 事也かし。年來御師檀の御よしみといひ。たがひに
Z08_0369A19: 老後の御わかれといひ。まことにあはれふかき歌
Z08_0369A20: なるべし。○こ〻かしことは。禪閤は都にまします。
Z08_0369B01: 上人は四國にさすらひ給へばなり。○きえぬとは。
Z08_0369B02: 消えはつる也。○花のうてなとは。極樂の蓮臺なり。
Z08_0369B03: 上人は王侯の戒師にして。四海の尊宿なりと
Z08_0369B04: いへども。邪人の讒に依て配處の月をながめ給
Z08_0369B05: へり。か〻る怨憎會苦も。娑婆世界の失なり。是に
Z08_0369B06: 付てもいとふべきは穢土なり。ねがふべきは淨
Z08_0369B07: 土なり。○迦才淨土論云。淨土諸佛菩薩
Z08_0369B08: 善知識退。如。得與如是諸上善
Z08_0369B09: 人俱會一處。故穢土キニ惡知識退
Z08_0369B10: 也云云。
Z08_0369B11: それ殉死同穴と契れる人も。その神は業に引れて。
Z08_0369B12: 六道に昇沈し。生處へだ〻りて。相あふ期なし。又
Z08_0369B13: 心ざしを同して念佛せる人は。たとひ形骸を千里
Z08_0369B14: の遠きにをくとも。神靈はかならず一處に會すべ
Z08_0369B15: きもの也。
Z08_0369B16: 法句譬喩經云。人死スレハ墳塚
Z08_0369B17: 智者。愚者云云。○此歌に身と心
Z08_0369B18: をわけてよみ給へるも。經釋の意なり。○南山
Z08_0369B19: 云。一生形骸。委溝壑。累世神靈。繫(コ〓ヲ)
Z08_0369B20: 云云。

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