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Z0400 空花和歌集 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0368A01: 語を用ひ給ふ事は。かの釋文の詞なるが故也。○う
Z08_0368A02: れしきとは。此詞なをざりの事にはよむべからず
Z08_0368A03: と。先達の口傳のよし。悅目抄にも見えたり。是は
Z08_0368A04: 上人御身の一大事なれば。さもと覺ゆ。已に三昧を
Z08_0368A05: 得給へるは。何にも過ぎたる歡喜なるべし。かの袖
Z08_0368A06: につ〻み。身にあましけんうれしさは。さらに物の
Z08_0368A07: 數にもあらず。をきどころなき御心にて。かく言の
Z08_0368A08: 葉にもらし給ひけるなるべし。我はた〻佛にいつ
Z08_0368A09: かとねがひ給へる歌とを。相てらして見れば。御よ
Z08_0368A10: ろこびの程もしらる〻なり。
Z08_0368A11: 申といふは。うやまふ詞なり。(ソン)(ジヤ)へ言を返ず
Z08_0368A12: るを申といふ也。
Z08_0368A13: 云。上人專修正行年をかさね。一心專念功つもり
Z08_0368A14: 給ひしかば。終に口稱三昧をおこし給ひき。生年六
Z08_0368A15: 十六。建久九年正月。一七日の別時の間。はじめには
Z08_0368A16: まづ明相あらはれ。次に水想影現し。後に瑠璃の地
Z08_0368A17: すこしく現前す。同二月に。寶地寶樓を見給ふ。それ
Z08_0368A18: より後。連々に勝相あり。ある時は。左の眼より光
Z08_0368A19: を出たす。形瑠璃の壺のごとし。壺に赤き花あり。寶
Z08_0368A20: 瓶のごとし。或時は遙に西方を見やり給ふに。寶樹
Z08_0368B01: つらなりて。高下心に隨ひ。或時は座下寶地とな
Z08_0368B02: り。或時は佛の面像現じ。或時は三尊大身を現じ。
Z08_0368B03: 或時は勢至來現し給ふ。或時は寶鳥琴笛等の種々
Z08_0368B04: の聲をきく。くはしき旨。御自筆の三昧發得の記に
Z08_0368B05: 見えたり。かの記。上人存日の間は披露なし。勢觀
Z08_0368B06: 房。遺跡を相承の後。これを披見せられけり。高野
Z08_0368B07: の明遍僧都は。かの記を披き見て。隨喜の涙をなが
Z08_0368B08: されけるとなん云云。
Z08_0368B09: 慈雲大師念佛方法云。今言念佛者。或
Z08_0368B10: 三十二相。繫。閉。常
Z08_0368B11: ルヿヲ。或但稱名號。執持M(シテ)レハ散。亦於
Z08_0368B12: 而得ルヿヲ。此間現ルハ。多クハフルヲ
Z08_0368B13: 名號。如懷感法師。一向阿彌陀
Z08_0368B14: 名號。而得三昧。現身玉ヘリ云云。○淺
Z08_0368B15: 信重障の人は。現に佛身を見ずといへども。佛は
Z08_0368B16: 常に行者の前にまします。○觀經云。無量壽佛
Z08_0368B17: 化身無數ナリ。與觀世音大勢至。常リ玉フ
Z08_0368B18: 行人之處云云。○十因云。行者常
Z08_0368B19: 住處塵垢。近邊不淨臭物。常
Z08_0368B20: 名香威儀。如人請スルカ貴客。卽莊-嚴セヨ

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