浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0366A01: | さりて。その心つねに〻ごれり。たま〱淸き心を |
Z08_0366A02: | おこせども。煩惱の泥かつ〲浮びて。やがて濁江 |
Z08_0366A03: | となり。みづから心を付て念々をかへり見るべし。 |
Z08_0366A04: | か〻る濁亂の機にては。自力の出離かなひがたし。 |
Z08_0366A05: | 涯分をはかりて淨土を願ひ。他力を賴みて念佛せ |
Z08_0366A06: | よとの勸なるべし。又妄念の濁は。凡夫の習なれば。 |
Z08_0366A07: | それに目をかけずして。一向に念佛すべしとの心 |
Z08_0366A08: | も侍る也。常にもわが心の澄みがたき事を思ひし |
Z08_0366A09: | れば。本願を信ずる心もおこり。念佛もおのづから |
Z08_0366A10: | す〻むなり。 |
Z08_0366A11: | 新後拾遺集 願蓮上人 |
Z08_0366A12: | にこりある水にも月はやとるそと |
Z08_0366A13: | おもへはやかてすむ心かな |
Z08_0366A14: | 頭拾芥抄ニ云。續後拾遺集ハ。元亨三年七月二日。 |
Z08_0366A15: | 奉M(シテ)二綸旨ヲ一民部卿爲藤卿撰レ之。不M(シテ)レ終ラレ篇ヲ薨去ス。 |
Z08_0366A16: | 子息權中納言爲定卿相續M(シテ)。正中二年十二月八日 |
Z08_0366A17: | 奏二-覽ス之ヲ一。○論註ニ云。若人聞テ二彼阿彌陀如來ノ至 |
Z08_0366A18: | 極淸淨寶珠ノ名號ヲ一。投スレハ二之ヲ濁スレ心ヲ念々之中ニ一 |
Z08_0366A19: | 罪滅シ。心淨M(シテ)卽得二往生一云云。○淸水珠の事。太平 |
Z08_0366A20: | 廣記第四百二の卷にみゆ。○上人云。先唱ヘハ二名 |
Z08_0366B01: | 號ヲ一。名號之德トM(シテ)妄念モ自止ミ。願心モ自生ス。何ニ況ヤ |
Z08_0366B02: | 本願ノ元意。爲レ化センカ下亂心難キ一レ止ミ者ヲ上也。就テモ二妄 |
Z08_0366B03: | 念之難キニ一レ止ミ。一向ニ可レ仰二本願ヲ一。就モ二散心之難ニ一レ |
Z08_0366B04: | 靜メ。一向ニ可レ唱二名號ヲ一云云。 |
Z08_0366B05: | ○ |
Z08_0366B06: | むまれてはまつ思ひ出んふる里に |
Z08_0366B07: | ちきりし友のふかきまことを |
Z08_0366B08: | 此歌新千載集に入りたり。詞書題しらす源空上人 |
Z08_0366B09: | とありて。終の句ふかき心をとあり。是は善導の釋 |
Z08_0366B10: | 文の心なり。般舟讚ニ云。或ハ語ハ或ハ笑ヒ身心樂シミ。卽 |
Z08_0366B11: | 憶二閻浮同行ノ人ヲ一。各發M(シテ)二誓願ヲ一遙ニ加被ス。專注莫レ退 |
Z08_0366B12: | 盡須レ來云云。○むまれてとは。念佛の行者。極樂に往 |
Z08_0366B13: | 生して後なり。○まづ思ひ出んとは。先は後に對す |
Z08_0366B14: | る詞なり。已に慈悲平等の身となれども。因位の結 |
Z08_0366B15: | 緣は猶わすれがたければ。先づは同行の事をおも |
Z08_0366B16: | ひ。結緣の人よりはじめて引接すべきなり。思ひ出 |
Z08_0366B17: | んといふ詞に。花の半を殘すらんこともこもり。引 |
Z08_0366B18: | 接すべき事もこもる也。語燈錄に。おもひ出でんと |
Z08_0366B19: | あるは。筆者のあやまり也。勅集には。おもひいで |
Z08_0366B20: | んとあり。かの古今集の。紅のふり出つ〻なく涙に |