浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0091A01: | れしめんとねがはれし。その御ねがひ。むなしからず |
Z08_0091A02: | してかなふゆへに。となふるものこと〲くうまる |
Z08_0091A03: | る事は。孟宗がねがひのせち(切)なりしによりて。た |
Z08_0091A04: | かんなのを(イお)ひしがごとし。(五八)か〻るを本 |
Z08_0091A05: | 願に乘じて。往生すとはなづくる也。(五九)されば佛 |
Z08_0091A06: | の御ねがひのかなひぬるこそ。返々我らがよろこび |
Z08_0091A07: | にては侍れ。(六〇)かの孟宗がねがひによりしたか |
Z08_0091A08: | んな。(筍)猶よく片時(しばらく)に深雪をうが(穿)ちて |
Z08_0091A09: | を(生)(イお)ひき。傍語の字(六一)彌陀の本願たる念佛の。い |
Z08_0091A10: | かでか一念に重垢(あか)をはらひてうまれざらん。 |
Z08_0091A11: | (六二)我らが往生すべき支度をば。彌陀本願にかま |
Z08_0091A12: | へてたてられたり。南無阿彌陀佛と申さば。佛なにと |
Z08_0091A13: | も。はからひたまはんずらん。(六三)わがちからにて |
Z08_0091A14: | すまじき往生なれば。なにの心ぐるしきところかあ |
Z08_0091A15: | る。(六四)た▲し。たかんなをねがひし所に。あらぬ |
Z08_0091A16: | (非)草木はを(イお)ひず。(不生)(六五)念佛をと。 |
Z08_0091A17: | ちかふ佛なれば。稱名にあらずばうまれがたし。(六六) |
Z08_0091A18: | をのづから(六七)うまる〻事をうれども。も〻(百) |
Z08_0091A19: | にひとつ(一)といへり。(六八)これにつけても。い |
Z08_0091A20: | よ〱一すぢに。念佛して佛の御ねがひ物になるべ |
Z08_0091B01: | き也。(六九)しかれば。佛すでに往生せんと思ひて。 |
Z08_0091B02: | 南無阿彌陀佛と。となへんものをとねがひ給ふ。我又 |
Z08_0091B03: | 往生せんと思ひて。南無阿彌陀佛と〻なふ。わが思ひ。 |
Z08_0091B04: | 佛のねがひにいさ〻かもたがはねば。(七〇)すなは |
Z08_0091B05: | ち佛の御ねがひ。もはら(專)我身のうへにあたれり。 |
Z08_0091B06: | (七一)もしうまれずばと侍れば。かならずうまれん |
Z08_0091B07: | 事。なにの相違かあらん。(七二)ふかく決定の思をな |
Z08_0091B08: | すべし。ゆめ〱うたがふ心あるべからず。(七三)こ |
Z08_0091B09: | まかにこのことはりをあん(案)ずれば。よろこびの |
Z08_0091B10: | なみだかへりてかなしむ。(七四)いたづらに無量無 |
Z08_0091B11: | 數劫の生死をへて。いま〻で。常沒常流轉の。凡夫た |
Z08_0091B12: | るだにもくやしきに。(七五)なを又有海の波浪にた |
Z08_0091B13: | ▲よ(漂)ひて。こりず(不懲)まに傍源語無窮(きはまりなき) |
Z08_0091B14: | の楚毒(いたみ)をのまん傍大經云。飮苦食毒。事は。あぢきなかる |
Z08_0091B15: | べき事なるを。(七六)いまこの本願にあひぬるのみ |
Z08_0091B16: | こそ。まめやかに多生のおもひいで(思出)にて侍れ。 |
Z08_0091B17: | (七七)呑鉤(つりをのむ)の魚は。水にある事ひさしから |
Z08_0091B18: | ずといふ事あり。(七八)ふかくこれをよろこぶべし。 |
Z08_0091B19: | (七九)たとへば。うえたる魚のゑ(餌)をもと(求)む |
Z08_0091B20: | る。つり(釣)をえ(得)つれば。すなはちのみぬ。をの |