ウィンドウを閉じる

Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0091A01: れしめんとねがはれし。その御ねがひ。むなしからず
Z08_0091A02: してかなふゆへに。となふるものこと〲くうまる
Z08_0091A03: る事は。孟宗がねがひのせち(切)なりしによりて。た
Z08_0091A04: かんなのを(お)ひしがごとし。(五八)か〻るを本
Z08_0091A05: 願に乘じて。往生すとはなづくる也。(五九)されば佛
Z08_0091A06: の御ねがひのかなひぬるこそ。返々我らがよろこび
Z08_0091A07: にては侍れ。(六〇)かの孟宗がねがひによりしたか
Z08_0091A08: んな。(筍)猶よく片時(しばらく)に深雪をうが(穿)ちて
Z08_0091A09: (生)(お)ひき。語の字(六一)彌陀の本願たる念佛の。い
Z08_0091A10: かでか一念に重垢(あか)をはらひてうまれざらん。
Z08_0091A11: (六二)我らが往生すべき支度をば。彌陀本願にかま
Z08_0091A12: へてたてられたり。南無阿彌陀佛と申さば。佛なにと
Z08_0091A13: も。はからひたまはんずらん。(六三)わがちからにて
Z08_0091A14: すまじき往生なれば。なにの心ぐるしきところかあ
Z08_0091A15: る。(六四)た▲し。たかんなをねがひし所に。あらぬ
Z08_0091A16: (非)草木はを(お)ひず。(不生)(六五)念佛をと。
Z08_0091A17: ちかふ佛なれば。稱名にあらずばうまれがたし。(六六)
Z08_0091A18: をのづから(六七)うまる〻事をうれども。も〻(百)
Z08_0091A19: にひとつ(一)といへり。(六八)これにつけても。い
Z08_0091A20: よ〱一すぢに。念佛して佛の御ねがひ物になるべ
Z08_0091B01: き也。(六九)しかれば。佛すでに往生せんと思ひて。
Z08_0091B02: 南無阿彌陀佛と。となへんものをとねがひ給ふ。我又
Z08_0091B03: 往生せんと思ひて。南無阿彌陀佛と〻なふ。わが思ひ。
Z08_0091B04: 佛のねがひにいさ〻かもたがはねば。(七〇)すなは
Z08_0091B05: ち佛の御ねがひ。もはら(專)我身のうへにあたれり。
Z08_0091B06: (七一)もしうまれずばと侍れば。かならずうまれん
Z08_0091B07: 事。なにの相違かあらん。(七二)ふかく決定の思をな
Z08_0091B08: すべし。ゆめ〱うたがふ心あるべからず。(七三)こ
Z08_0091B09: まかにこのことはりをあん(案)ずれば。よろこびの
Z08_0091B10: なみだかへりてかなしむ。(七四)いたづらに無量無
Z08_0091B11: 數劫の生死をへて。いま〻で。常沒常流轉の。凡夫た
Z08_0091B12: るだにもくやしきに。(七五)なを又()(カイ)の波浪にた
Z08_0091B13: ▲よ(漂)ひて。こりず(不懲)まに源語()(グウ)きはまりなき
Z08_0091B14: ()(ドク)いたみ)をのまん大經云。飮苦食毒。事は。あぢきなかる
Z08_0091B15: べき事なるを。(七六)いまこの本願にあひぬるのみ
Z08_0091B16: こそ。まめやかに多生のおもひいで(思出)にて侍れ。
Z08_0091B17: (七七)(ドン)(ゴウ)つりをのむ)の魚は。水にある事ひさしから
Z08_0091B18: ずといふ事あり。(七八)ふかくこれをよろこぶべし。
Z08_0091B19: (七九)たとへば。うえたる魚のゑ(餌)をもと(求)む
Z08_0091B20: る。つり(釣)をえ(得)つれば。すなはちのみぬ。をの

ウィンドウを閉じる