浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0090A01: | ら稱念せば。かならず往生すべしといふ事をとの給 |
Z08_0090A02: | へり。(二九)されば衆生の往生すべきによりて。佛は |
Z08_0090A03: | 正覺をとり。佛の正覺な(成)り給ふによりて。衆生は |
Z08_0090A04: | 往生をすべき也。(三〇)このゆへに。念佛申さんもの |
Z08_0090A05: | の往生せんずる事は。はやすでに。本願成就して。正覺 |
Z08_0090A06: | な(成)り給ひし時より。ゆるぎなくさだまりてしか |
Z08_0090A07: | ば。(三一)我らをみちびき給ふべき佛の御方便は。も |
Z08_0090A08: | とより。した〻めまうけられたるを。(三二)た▲衆生 |
Z08_0090A09: | のかたよりあやぶみて。(三三)身を本願にまかせか |
Z08_0090A10: | ねたる心の。なまざかし(生賢)さにこそ。(三四)けふ |
Z08_0090A11: | まで往生もと▲こほりぬれ。(三五)いまよりにても。 |
Z08_0090A12: | 心をかず(不置)たのみをかけば。やがて本願には乘 |
Z08_0090A13: | ずべし。(三六)本願にだにも乘じなば。又いのちをは |
Z08_0090A14: | らん時。かの國に生ぜん事。いさ〻かもうたがひある |
Z08_0090A15: | べからず。(三七)それにつきては。本願に乘じて往生 |
Z08_0090A16: | すといふことはりをこそ。よく〱心えわ(分)くべ |
Z08_0090A17: | けれ。(三八)たとへば。(三九)孟宗といひしもの〻お |
Z08_0090A18: | やは。たかんな(筍)傍日本紀。をあい(愛)しけるなるべし。 |
Z08_0090A19: | (四〇)ある冬のころ。せち(切)にこれをねがひける |
Z08_0090A20: | に。(四一)時しもあれ。心づき(開情)なしとおぼえぬ |
Z08_0090B01: | べけれども。(四二)孝養の心ざしねんごろなる子な |
Z08_0090B02: | りければ。(四三)雪いたく(甚)ふりつ(積)みて。(四四) |
Z08_0090B03: | あるべうもなき竹のなかにむかひゐて。(四五)せめ |
Z08_0090B04: | ての事に。(四六)なきゐたるほどに。と(時)みれば。 |
Z08_0090B05: | (四七)さるべきころ(比)よりも。(四八)なをあざや |
Z08_0090B06: | (鮮)かなるたかうな。(笋)(四九)時のまにをひい |
Z08_0090B07: | (生出)でたりけむ。ふしぎ(不思議)なりける事ぞか |
Z08_0090B08: | し。(五〇)つら〱(熟)この事をおもふに。かぎり |
Z08_0090B09: | (期)ありて。(五一)をのれ(己)とを(生)(イお)ふべき |
Z08_0090B10: | ころ(頃)ならば。夏のすゑざま(末樣)をこそまつ |
Z08_0090B11: | べけれ。(五二)これはしかし(倂)ながら。孟宗がねが |
Z08_0090B12: | ふ心のせち(切)なりしかば。そのねがひむなしから |
Z08_0090B13: | ずして。かなひしゆへに。を(生)(イお)ふべくもなき時な |
Z08_0090B14: | れども。心ならずをひにける也。まめやか(眞實)に。ね |
Z08_0090B15: | んごろ(慇懃)なるねがひの。かなはぬ事は侍らぬに |
Z08_0090B16: | こそ。(五三)彌陀の本願もかくのごとし。我〓がうま |
Z08_0090B17: | るべくもなき事は。雪のうちのたかんなの。を(イお) |
Z08_0090B18: | ふべくもなきに〻たれども。(五四)深重(ふかくおもし)の慈 |
Z08_0090B19: | 悲よりおこりて。(五五)ねんごろなりし本願なれば。 |
Z08_0090B20: | (五六)念佛せんものかまへて。(五七)わが國にうま |