浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z08_0089A01: | かやうなるすぢといふ事を。おもひと（解）きたるは |
| Z08_0089A02: | まれならんかし。（八）よろづた▲人の心のまことな |
| Z08_0089A03: | きゆへに。しりがほにだにもなりねれば。た（足） |
| Z08_0089A04: | りぬと思て。さしも。と（問）ひきは（究）めんとはせ |
| Z08_0089A05: | ざンめるを。（九）かく（是）ねんごろ（慇懃）に尋ね給 |
| Z08_0089A06: | ふこそ。げに往生の心ざしもおは（御座）するにこそ |
| Z08_0089A07: | と。ありがたく覺ゆれ。（一〇）さればいかほどもくは |
| Z08_0089A08: | しくきこゆべし。（一一）まづ若不生者不取正覺とは。 |
| Z08_0089A09: | か〻るつたなきものなりとも。南無阿彌陀佛と〻な |
| Z08_0089A10: | へば。かならずわがくに〻生ぜしめんとねがふ。（一二） |
| Z08_0089A11: | この心ざしのちからむなしくして。もしうまるまじ |
| Z08_0089A12: | くば。佛にならじと也。（一三）これにつきて。そのつ |
| Z08_0089A13: | たなきものなりとも。念佛せばかまへて生しめんと |
| Z08_0089A14: | ねがふを願とはいひ。生るまじくば佛にならじと。ち |
| Z08_0089A15: | かごと（誓言）し給ふを誓とは申す也。（一四）いまこ |
| Z08_0089A16: | の誓願は。彌陀如來。いまだ佛になりたまはざりしい |
| Z08_0089A17: | にしへ。法藏比丘と申し〻とき。（一五）一切衆生を平 |
| Z08_0089A18: | 等にあはれみ給ふ御慈悲のあまり。（一六）わがねが |
| Z08_0089A19: | ひのま〻に衆生往生すべくば。われも佛にならん。 |
| Z08_0089A20: | （一七）そのうまる〻事かなふまじくば。た▲もろと |
| Z08_0089B01: | もに。しづみこそせめ。（一八）衆生をすて〻。我ひと |
| Z08_0089B02: | り佛にならん事。さらにのぞむ所にあらず。（一九）あ |
| Z08_0089B03: | やまて。（二〇）衆生だにもたすかるべくば。假令身ヲ |
| Z08_0089B04: | 止𪜈二諸ノ苦毒ノ中一。我レ行シテ二精進ヲ一。忍ヒテ終ニ不レ悔ヒとま |
| Z08_0089B05: | で。（二一）身にかへてかなしみおぼしめされし程に。 |
| Z08_0089B06: | （二二）さしも一大事の正覺をかけて。ちかひ給へる |
| Z08_0089B07: | 本願なり。（二三）されば。念佛せんもの生ぜしめんと |
| Z08_0089B08: | いふ。御ねがひかなふべくば。その御ちかごと（誓言） |
| Z08_0089B09: | にむく（酬）ひて。をのづから（自然）佛になりたまは |
| Z08_0089B10: | んずらん。（二四）御ねがひむなしくして。我ら念佛す |
| Z08_0089B11: | とも。うまるまじくば。又この御ちかごとにむくひて。 |
| Z08_0089B12: | よも佛にはなり給はじなれば。（二五）法藏比丘の成 |
| Z08_0089B13: | 佛が。我らが往生せんずるしるしにてはあるべき也。 |
| Z08_0089B14: | （二六）これによりて善導大師は。（二七）若我成佛十 |
| Z08_0089B15: | 方衆生。稱我名號下至十聲。若不生者不取正覺。彼佛 |
| Z08_0089B16: | 今現在世成佛。當知本誓重願不虛。衆生稱念必得往生 |
| Z08_0089B17: | と釋して。（二八）かの佛いま現に成佛し給ひぬ。まさ |
| Z08_0089B18: | にしるべし。うまるまじくば。正覺とらじとたて給ひ |
| Z08_0089B19: | し。ちかごと（誓言）のをも（重）さにかへて。うまれし |
| Z08_0089B20: | めんとおぼしめす。御ねがひむなしからずして。われ |