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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0080A01: ことはりなれば。名號の德として妄念はをのづから
Z08_0080A02: やむなり。すでに普門品に觀音の御名をとなふれば。
Z08_0080A03: 三毒をはなる〻とあり。十輪經に地藏の實號を念ずれ
Z08_0080A04: ば。煩惱鎖滅すとみえたり。菩薩の名號なをしかなり。
Z08_0080A05: いはんや如來の洪名をや。○次第禪門。治スルニハ
Z08_0080A06: 念思惟。應報佛功德。乃至此念スルヿハ
Z08_0080A07: 。從スル善法心數。惡念思惟。從スル
Z08_0080A08: 惡法心數。善。故報佛
Z08_0080A09: 醜陋少智之人。在端正大智人之中。卽自鄙
Z08_0080A10: ルカ。惡亦如是。在ラハ善心。則耻愧自息。緣スレハ
Z08_0080A11: 功德念々之中。滅一切已上●(四一)おもは
Z08_0080A12: じとおもふも物を思ふなれば。やめんとおもふが。又
Z08_0080A13: ひとつの妄念となるなり。●(四二)釋に不顧水火二
Z08_0080A14: 河といふ此心なり。手といふは。(ナラヒ)(ゴト)といへる義なり。
Z08_0080A15: 此條は法然上人。明遍僧都。良遍〓都などの御す〻め
Z08_0080A16: みな一同なり。決答語灯上人。すでに凡夫の往生をゆ
Z08_0080A17: るす。なんぞ妄念の有無をきらふべきや云云。一遍上
Z08_0080A18: 人の歌に。あともなき雲にあらそふ心こそ。中々月の
Z08_0080A19: さはりなりけれ夫木抄。○疏鈔。但以。心雖。而
Z08_0080A20: 無明染。念々相續。如七年之病。久亂之民。故
Z08_0080B01: 慣習。玆スルモ勉强M(シテ)遏禁。立ロニ使空寂〓ラ而止
Z08_0080B02: ラント上レ。更彌動。縱麤念暫トモ。細念猶存。便
Z08_0080B03: 謂相應錯謬非。旣M(シテ)凡地。未。忘ルヿ一レ
Z08_0080B04: 。何緣慮而作修進。故還攻
Z08_0080B05: 。念M(シテ)一佛名。換フル百千萬億之雜念也。已上
Z08_0080B06: 山大惠果禪師答問。但自時々提撕。妄念起時。
Z08_0080B07: 亦不止遏。只看話頭已上●(四三)身にも
Z08_0080B08: いとまありて。心のすみたらん時の念佛ばかりが。往
Z08_0080B09: 生の業にはあらず。妄念をもやめて。申す念佛ならば
Z08_0080B10: こそ。しづかなる𨻶をも待べけれ。すでに妄念の中な
Z08_0080B11: がら。申せとのす〻めなり。いかほど世間のいそがは
Z08_0080B12: しきうちにも。ちりみだれても申べき念佛なり。○念
Z08_0080B13: 佛往生義。世間のいとなみに𨻶なければこそ。念
Z08_0080B14: 佛の行をば修すべけれ。そのゆへは。男女貴賤。行住
Z08_0080B15: 座臥をえらばず。時處諸緣を論ぜず。これを修する
Z08_0080B16: にかたしとせず。乃至臨終にもその便宜を得たる事。
Z08_0080B17: 念佛にはしかずといへり。餘の行は。まことに世間怱
Z08_0080B18: 怱の中にしては修しがたし。念佛の行にかぎりては。
Z08_0080B19: 在家出家をえらばず。有智無智をいはず。稱念する
Z08_0080B20: にたよりあり。世間の事にさえられて。念佛往生をと

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