浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0080A01: | ことはりなれば。名號の德として妄念はをのづから |
Z08_0080A02: | やむなり。すでに普門品に觀音の御名をとなふれば。 |
Z08_0080A03: | 三毒をはなる〻とあり。十輪經に地藏の實號を念ずれ |
Z08_0080A04: | ば。煩惱鎖滅すとみえたり。菩薩の名號なをしかなり。 |
Z08_0080A05: | いはんや如來の洪名をや。○次第禪門ニ云ク。治スルニハ二惡 |
Z08_0080A06: | 念思惟ノ障ヲ一。應ニレ念ス二報佛ノ功德ヲ一。乃至此念スルヿハ二佛ノ功 |
Z08_0080A07: | 德ヲ一。從下緣スル二善法ヲ一中上生ス二心數ヲ一。惡念思惟ハ。從下緣スル二 |
Z08_0080A08: | 惡法ヲ一中上生ス一心數ヲ一。善ハ能ク破スレ惡ヲ。故ニ應レ念ス二報佛ヲ一。 |
Z08_0080A09: | 譬ハ如下醜陋少智之人。在テ二端正大智人之中ニ一。卽自鄙 |
Z08_0080A10: | 耻ルカ上。惡モ亦如レ是。在ラハ二善心ノ中一。則耻愧テ自息ム。緣スレハ二 |
Z08_0080A11: | 佛ノ功德ヲ一念々之中ニ。滅ス二一切ノ障ヲ一。已上●(四一)おもは |
Z08_0080A12: | じとおもふも物を思ふなれば。やめんとおもふが。又 |
Z08_0080A13: | ひとつの妄念となるなり。●(四二)釋に不顧水火二 |
Z08_0080A14: | 河といふ此心なり。手といふは。習事といへる義なり。 |
Z08_0080A15: | 此條は法然上人。明遍僧都。良遍〓都などの御す〻め |
Z08_0080A16: | みな一同なり。決答語灯上人ノ云ク。すでに凡夫の往生をゆ |
Z08_0080A17: | るす。なんぞ妄念の有無をきらふべきや云云。一遍上 |
Z08_0080A18: | 人の歌に。あともなき雲にあらそふ心こそ。中々月の |
Z08_0080A19: | さはりなりけれ夫木抄。○疏鈔ニ曰ク。但以ハ。心雖レ離レ念ヲ。而 |
Z08_0080A20: | 無明染テレ心ニ。念々相續。如二七年之病。久亂之民ノ一。故ニ曰二 |
Z08_0080B01: | 慣習一。玆ニ欲スルモ下勉强M(シテ)遏禁シ。立ロニ使テ二空寂〓ラ一而止メレ動ヲ |
Z08_0080B02: | 歸ラント上レ止ニ。更ニ彌動ス。縱シ麤念暫ク息トモ。細念ハ猶存ス。便 |
Z08_0080B03: | 謂相應ノ錯謬非レ小ニ。旣ニ居M(シテ)二凡地ニ一。未レ能二絕シレ慮ヲ。忘ルヿ一レ |
Z08_0080B04: | 緣ヲ。何ソ不ン下卽シ二緣慮ニ一而作ラ中修進ヲ上。故ニ以レ念ヲ還攻ム二於 |
Z08_0080B05: | 念ヲ一。念M(シテ)二一佛名ヲ一。換フル二彼ノ百千萬億之雜念ニ一也。已上徑 |
Z08_0080B06: | 山大惠果禪師ノ答問ニ云ク。但自時々ニ提撕シ。妄念起ル時。 |
Z08_0080B07: | 亦不下必モ將テレ心ヲ止遏上。只看ヨ二話頭一。已上●(四三)身にも |
Z08_0080B08: | いとまありて。心のすみたらん時の念佛ばかりが。往 |
Z08_0080B09: | 生の業にはあらず。妄念をもやめて。申す念佛ならば |
Z08_0080B10: | こそ。しづかなる𨻶をも待べけれ。すでに妄念の中な |
Z08_0080B11: | がら。申せとのす〻めなり。いかほど世間のいそがは |
Z08_0080B12: | しきうちにも。ちりみだれても申べき念佛なり。○念 |
Z08_0080B13: | 佛往生義ニ云ク。世間のいとなみに𨻶なければこそ。念 |
Z08_0080B14: | 佛の行をば修すべけれ。そのゆへは。男女貴賤。行住 |
Z08_0080B15: | 座臥をえらばず。時處諸緣を論ぜず。これを修する |
Z08_0080B16: | にかたしとせず。乃至臨終にもその便宜を得たる事。 |
Z08_0080B17: | 念佛にはしかずといへり。餘の行は。まことに世間怱 |
Z08_0080B18: | 怱の中にしては修しがたし。念佛の行にかぎりては。 |
Z08_0080B19: | 在家出家をえらばず。有智無智をいはず。稱念する |
Z08_0080B20: | にたよりあり。世間の事にさえられて。念佛往生をと |