浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0078A01: | しこだてをさきとして。如法の行者を。もどかしくお |
Z08_0078A02: | もふなめり。か〻る心の人は。他のいさめをも用べか |
Z08_0078A03: | らず。そのかしこだてが。佛祖の御心にかなふや。い |
Z08_0078A04: | なや。此三部の鈔を鏡として。邪正をてらしみるべし。 |
Z08_0078A05: | 私の作意はおぼつかなき事なり。○下學集ニ曰ク。上古 |
Z08_0078A06: | 之時ハ。倭漢ノ兩國。未レ知ラ二家居ヲ一。人々居ス二土窠ニ一。恙虫 |
Z08_0078A07: | 螫スレ人ヲ。故ニ本朝ノ書札。往來相ヒ勸テ。云二穴賢ト一也。言ハ土 |
Z08_0078A08: | 窠之穴賢。閉塞可シトレ防ク二恙虫ヲ一云ナリ。已上△(二九)是よ |
Z08_0078A09: | り。妄念の事をしめす返答なり。●(二九)隔の字なり。 |
Z08_0078A10: | ●(三〇)妄念の中の念佛をも。佛はよくしろしめす |
Z08_0078A11: | 事。たとへば乳水混ずれども。鵝王のよくしるがごと |
Z08_0078A12: | し。觀經ニ云ク。爲ニ二煩惱賊ニ之所ルニレ害セ者ノ一。說二淸淨業ヲ一 |
Z08_0078A13: | 云云。大品經ニ曰ク若人散心ニ念佛スレハ。亦得テレ離ルヿヲレ苦ヲ。 |
Z08_0078A14: | 其ノ福不レ盡。已上●(三一)最劣の下機をたすけんとて。 |
Z08_0078A15: | 五劫まで思惟し給へる事なれば。末世の凡夫の心に。 |
Z08_0078A16: | 妄念のにごりあるべしとは。ほとけも。とくをしはか |
Z08_0078A17: | り給ふべし。續千載從三位宣子。濁江の水の心はすまずと |
Z08_0078A18: | も。やどれる月の影はくもらじ。●(三二)是は善導大 |
Z08_0078A19: | 師。三心の釋の中にある事なり。貪欲瞋恚のさかんな |
Z08_0078A20: | るは。水の河。火の川のごとし。その煩惱の中に。いさ〻 |
Z08_0078B01: | か極樂をねがふ心あるは。しろくほそき道のごとしと |
Z08_0078B02: | たとへ給へるなり。くはしく西要抄にあり。なみをふ |
Z08_0078B03: | みてあゆむとは。妄念にめをかけず。ねがひとなふ義 |
Z08_0078B04: | なり。●(三三)聖光上人ノ。云ク。行者先ツ發M(シテ)二往生ノ願ヲ一 |
Z08_0078B05: | 後ニ。數ハ稱名スル時。或ハ心相應シ。或ハ不ルモ二相應セ一。皆成ル二 |
Z08_0078B06: | 往業ト一。謂ク起行ノ時。餘心雖レ雜。安心亦起テ。數ハ用ル二廻 |
Z08_0078B07: | 向ヲ一。是故ニ所テレ引カ二初後ノ善心ニ一。皆成ル二往業ト一。已上往生 |
Z08_0078B08: | 要集ニ云。若シ至誠心ヲ以。心ニ念シ口ニ言ク。我從二今日一乃至 |
Z08_0078B09: | 一善ヲモ。不レ爲ニセ二己カ身ノ有漏ノ果報ノ一。盡ク爲ニシ二極樂ノ一。盡ク |
Z08_0078B10: | 爲ニセント二菩提ノ一。發M(シテ)二此ノ心ヲ一後ニハ。所有ノ諸善。若ハ覺シ不ルレ |
Z08_0078B11: | 覺。自然趣二-向ス無上菩提ニ一。如下一ニ穿ツレハ二渠溝ヲ一。諸水自 |
Z08_0078B12: | 流入M(シテ)。轉至テ二江河ニ一。遂ニ會スルカ中大海ニ上。已上○因等起と。刹 |
Z08_0078B13: | 那等起の料簡あり。傳通玄記の第四を見るべし。●(三 |
Z08_0078B14: | 四)心はこれ業の主にして。行をはこぶ車なり。心にた |
Z08_0078B15: | だ念佛を廻向す。妄念をばうちすて〻かへり見ず。周 |
Z08_0078B16: | 易曰ク。雲ハ從ヒレ龍ニ。風ハ從レ虎。已上龍虎に風雲のしたが |
Z08_0078B17: | ふがごとく。廻向の心に念佛がしたがふなり。○古德ノ |
Z08_0078B18: | 云ク。妄念はもとより凡夫の自體なり。妄念の外の心 |
Z08_0078B19: | はなきなり。一向臨終の時までは。妄念の心にてある |
Z08_0078B20: | べきぞと。心得て念佛すれば。來迎にあづかり。蓮臺に |