浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0076A01: | 悉ク知テレ之ヲ。不レ錯不レ亂。已上●(一一)われら無始より |
Z08_0076A02: | このかた。隨分の善根をも修しつらめども。三毒 |
Z08_0076A03: | の火にやかれ。六賊のためにかすめられて。一善 |
Z08_0076A04: | をだにも。たくはへざりつる身の。此度本願の名 |
Z08_0076A05: | 號をとなへ。無上の功德。もとめざるにをのづ |
Z08_0076A06: | から得たり。是を本願にあづけて。佛を方人 |
Z08_0076A07: | とす。すこしもなにのおそれかあらん。○六塵とは。色 |
Z08_0076A08: | 聲香味觸法なり。南山ノ云ク。云何カ名ハレ塵ト。塵二-汙M(シテ)淨 |
Z08_0076A09: | 心ヲ〓一觸テレ身ニ成スレ垢ヲ。故〓名レ塵ト淨心誡觀。𣵀槃經ニ云ク。六大 |
Z08_0076A10: | 賊ト者。卽外ノ六塵也。能ク劫ルカ二一切ノ善法ヲ一故ニ。已上か |
Z08_0076A11: | すむるは劫の字なり。戒疏ニ云ク。公白ニM(シテ)而取ルヲ曰レ劫ト。 |
Z08_0076A12: | 已上●(一二)貪欲瞋恚愚癡を三毒といふ。法界次第ニ |
Z08_0076A13: | 云ク。通M(シテ)名ルハレ毒ト者。以テ二鴆毒ヲ一爲レ義ト。惱壞スルヿ之甚キ。 |
Z08_0076A14: | 故ニ云二鴆毒ト一。以三其ノ能ク惱二-壞スルヲ出世ノ善心ヲ一。故ニ名テ |
Z08_0076A15: | 爲レ毒ト。已上華嚴經ニ云ク。三毒ノ猛火恆ニ熾然タリ。無始ノ時ヨリ |
Z08_0076A16: | 來タ不二休息セ一。已上隨相論ニ云ク。欲ト瞋ト癡ヲ爲二三火ト一。此ノ |
Z08_0076A17: | 三ニ有ルカ二三義一故ニ名レ火。一ハ能ク燒クカ二衆生ノ一切ノ善根ヲ一 |
Z08_0076A18: | 故ニ。二ニハ此ノ三煩惱能ク使ム二心ヲ熱セ一。卽有二燒クレ心ヲ義一。 |
Z08_0076A19: | 三ニハ能ク燃クカ二三界ヲ一故ニ名レ火ト。已上●(一三)一こゑむな |
Z08_0076A20: | しき事なし。●(一四)これ疏の文なり。記主上人ノ云ク。 |
Z08_0076B01: | 對スルカ二助業ニ一故ニ。名テ爲二正業ト一。對スルカ二不定業ニ一故ニ。 |
Z08_0076B02: | 名ク二定業ト一也。所三-以念佛一行。濁リ名ル二正定業ト一者。彼ノ |
Z08_0076B03: | 佛ノ願ノ中ニ。唯明セリ二念佛ヲ一。大願業力。接二-引M(シテ)衆生ヲ一。百卽 |
Z08_0076B04: | 百生。萬ニ無カ二一失一故也。已上●(一五)右の上人の詞を |
Z08_0076B05: | 甘心解釋するなり。●(一六)むかしより諸家の往生 |
Z08_0076B06: | 傳に。さかんに異香紫雲の事をのせたり。是を往生の |
Z08_0076B07: | 祥瑞とす云云。されば世間の念佛者。まさしく異香も |
Z08_0076B08: | 薰せず。紫雲もたなびかねば。往生の瑞相なしとおも |
Z08_0076B09: | へり。その異香紫雲は。なを佛のちかひに。必としもな |
Z08_0076B10: | き事なれば。ともかくもあれ。不取正覺とちかひ給へ |
Z08_0076B11: | る念佛の聲ほど。たしかなる決定往生のしるしはな |
Z08_0076B12: | きなり。松陰ノ顯性房ノ云。心の專不專を論ぜず。南無阿 |
Z08_0076B13: | 彌陀佛ととなふるこゑこそ。詮要と眞實におもふ人 |
Z08_0076B14: | のなきなり。已上●(一七)かまへてとは。ねんごろにす |
Z08_0076B15: | すむる詞なり。○ま心とは。眞實の心なり。さればす |
Z08_0076B16: | ずろにとなふる一こゑをも。若不生者の御胸の中に |
Z08_0076B17: | おさめをくべし。佛の念力にて功德も增長し。魔事の |
Z08_0076B18: | おそれもなし。まことにたしかなるあづけどころな |
Z08_0076B19: | り。佛も一大事の正覺をかけ給へる名號なれば。油斷 |
Z08_0076B20: | なくまほり給ふなり。○爲尹是も又花のうてなのため |