浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0071A01: | へは。往生せんとおもひたちて。南無阿彌陀佛と。一 |
Z08_0071A02: | 聲となへはじめぬるが。一念をもかならずうまれし |
Z08_0071A03: | めんとちかひ給ふ本願のなかに。おさまりそ(初)む |
Z08_0071A04: | るより。十こゑになれば。十念をもといふ願におさま |
Z08_0071A05: | り。一期申ぬれば。一形をもといふ願におさまる也。 |
Z08_0071A06: | されば。我らはしどけ四度計。なくとな(唱)へゐたれ |
Z08_0071A07: | ども。佛は一こゑもきこしめしすごさず。みな若不生 |
Z08_0071A08: | 者。不取正覺といふ。本願のなかにうけとり給て。(一〇) |
Z08_0071A09: | 佛力守護すれば。六塵のぬす人にもかす(劫)められ |
Z08_0071A10: | ず。(一一)三毒の火にもやかれずして。(一二)一念よ |
Z08_0071A11: | り一形にいたるまで。みな決定往生の業となる也。 |
Z08_0071A12: | (一三)是名正定之業。順彼佛願故と釋する。この心な |
Z08_0071A13: | るべし。(一四)こゑにつきて決定往生の思をなせと |
Z08_0071A14: | いふ。げにもいはれたり。(一五)異香よりも。紫雲より |
Z08_0071A15: | も。南無阿彌陀佛とゝな(唱)ふるこゑに。すぎた |
Z08_0071A16: | る往生のしるし(驗)やは侍るべき。(一六)かまへてた |
Z08_0071A17: | ▲。とかくのうら思(慮)なく。ま(眞)心に念佛して |
Z08_0071A18: | 本願にあづけたてまつり給へ。いのちをはらん時。佛 |
Z08_0071A19: | たしかに返したまはすべし。(一七)それをこそ最後 |
Z08_0071A20: | の念佛にも。し侍らんずれば。臨終の十念は。佛の御 |
Z08_0071B01: | はからひにて相違あるべからず。(一八)かやうに。う |
Z08_0071B02: | しろめたからぬ(窘影護)慈悲の父母にて。心やすくう |
Z08_0071B03: | しろみ(後見)給ふうへは。(一九)南無阿彌陀佛と〻 |
Z08_0071B04: | なへて。よろづは佛にまかせたてまつるべし。(二〇) |
Z08_0071B05: | さてこそ念佛のこゑをば。綠子(イ孩子)の哭(ナク)する |
Z08_0071B06: | こゑのごとしとも釋したれ。(二一)たとへば。おさな |
Z08_0071B07: | (幼)き子のあしてもた〻ず。物もえいはぬは。うへた |
Z08_0071B08: | るにも。さむきにも。た▲母をかこ(託)ちて。なくよ |
Z08_0071B09: | りほかの事なし。母そのこゑをき〻ぬれば。かならず |
Z08_0071B10: | ゆきてたすく。うへたるらんとおもへば。むねをひら |
Z08_0071B11: | きてちぶさ(乳房)(考一本作房)をふく(含)め。さむかるらん |
Z08_0071B12: | と思へば。ふところにいれて。はだへをあた〻む。され |
Z08_0071B13: | ばうへをやすめ。さむさをやむるは。ひたすら母のち |
Z08_0071B14: | からにあり。わび(佗)て。なくばかりこそ。子のわざ |
Z08_0071B15: | にては侍るやうに。(二二)我らが身の。智慧の心もさ |
Z08_0071B16: | かしからず。(不黠)行のあしてもた〻ぬ事は。おさな |
Z08_0071B17: | き子よりも。なををろかなれども。さすが。ありはて |
Z08_0071B18: | ぬ世も。あぢきなく。ながきまよひもかなしければ。た |
Z08_0071B19: | すけ給へと佛をかこちて。南無阿彌陀佛と〻な(唱) |
Z08_0071B20: | ふるほかは。はげみえたるかたなし。(二三)佛このこ |