浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0065A01: | 括囊M(シテ)而佯ルレ愚ヲ。已上た▲しわが宗にす〻むるところは。 |
Z08_0065A02: | 本來正直の愚癡なり。一字に畫を點せず。八字に丿乀 |
Z08_0065A03: | なきがごとし。しかるに世に狂解の人ありて。悟了同 |
Z08_0065A04: | 未悟などいふ事を引て。一枚起請に愚鈍と有は。た▲ |
Z08_0065A05: | の愚鈍にはあらず。一たび智惠をきはめての上の愚癡 |
Z08_0065A06: | の事なりといふ。これは淨土宗に。かつて師承なく無 |
Z08_0065A07: | 案內の故なり。當流歷代の起請文をも見るべし。また |
Z08_0065A08: | くさる事なし。上人の抄物。御消息いくらも世間に有。 |
Z08_0065A09: | それをよく〱よみてしるべし。子細もなき愚癡の |
Z08_0065A10: | 事なり。人の心すなほならずして。かくなまざかしき |
Z08_0065A11: | 事のみ。きこゆるぞかなしきや。●(八〇)ざへは才の |
Z08_0065A12: | 字なり。吳音なればにごるなり。才智文才の事なり。源 |
Z08_0065A13: | 氏に。ざえからすと有。す〻よかとは徤の字なり。源氏 |
Z08_0065A14: | の抄に。物づよき心なりと有。○われはがほとは。か |
Z08_0065A15: | しこだてなり。に〻きは。あしきなり。又にくむ心も |
Z08_0065A16: | 有。●(八一)わが身の程なり。●(八二)氣のつかぬ心。 |
Z08_0065A17: | おもひの外なり。●(八三)しいだしたる時なり。● |
Z08_0065A18: | (八四)うら〻かとは。なにとなくはれらかにいふぎ |
Z08_0065A19: | なり。とがをかくさず。ありのま〻にいふてくやむ事 |
Z08_0065A20: | なり。はつねの卷に。くもらぬうら〻かげと有も。長 |
Z08_0065B01: | 閑なる空なり。徒然草にも。うら〻かにいひきかせた |
Z08_0065B02: | らんは。おとなしく聞へなましと有。○あさましとは |
Z08_0065B03: | くやむ詞なり。○わびゐたるとは、わびごとするな |
Z08_0065B04: | り。○むぞうさとは。無造作の字なるべし。○よくに |
Z08_0065B05: | くかりぬべきとは。よほどあしきとがの事なり。さな |
Z08_0065B06: | がらとは。そのま〻にてといふ義なり。又は。みなこ |
Z08_0065B07: | とごとくといふ心も有。●(八五)學生とは。先生鴻生 |
Z08_0065B08: | など。みな有德の稱なり。○上人云。われは烏帽子も |
Z08_0065B09: | きぬ法然房なり。黑白をもしらず。童子の如し。是非 |
Z08_0065B10: | をもしらず。無智のものなり。た▲念佛往生をあふぎ |
Z08_0065B11: | て信ず云云。○私云。烏帽子も著ぬとは。童形の事なり。 |
Z08_0065B12: | をよそ庶人は。元服の冠禮を烏帽子著といふなり。● |
Z08_0065B13: | (八六)安法師ノ曰ク。防キレ非ヲ止ルヲレ惡ヲ曰レ戒ト。息M(シテ)レ慮ヲ |
Z08_0065B14: | 靜ルヲレ緣ヲ曰レ定ト。破シレ惑ヲ證スルヲレ眞ヲ曰レ慧ト。已上聞持記ニ |
Z08_0065B15: | 曰。引取テ無ヲレ厭ヿ曰レ貪ト。忿怒M(シテ)無ヲレ慈曰レ瞋ト。迷惑M(シテ)不ヲレ |
Z08_0065B16: | 了セ曰レ癡ト。已上●(八七)これ。しりぞきのくなり。● |
Z08_0065B17: | (八八)是す〻みよるなり。●(八九)佛にちかよるも。 |
Z08_0065B18: | とをのくも。こなたの心次第なり。あはひは。二人丸祕 |
Z08_0065B19: | 鈔には交の字なり。此抄の上卷ニ云ク。た▲ひたすらに |
Z08_0065B20: | たのま〻しかば。よろづのとがはゆるし給なんかし |