浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0064A01: | 道門ノ意ハ。窮テ二於智惠ヲ一而出二生死ヲ一。淨土門ノ意ハ。還テ二 |
Z08_0064A02: | 愚癡ニ一而生二極樂ニ一。已上淨土門は初より解了をこと〻せ |
Z08_0064A03: | ず。た▲信佛の因緣をもて。ひとへに他力をあふぐば |
Z08_0064A04: | かりなり。聖道門も後には智をすつれども。はじめは |
Z08_0064A05: | 智惠より入るなり。●(七七)ゆ〻しくとは。ことにす |
Z08_0064A06: | ぐれたる義なり。二人丸祕抄に。忌々敷とかくなり。 |
Z08_0064A07: | 河海抄ニ云ク。善惡に通ずる詞なり。中々とは。かへりてといふ義なり。故 |
Z08_0064A08: | 實とは。代々相傳の習なり。史記三十三。周公ノ世家ニ |
Z08_0064A09: | 曰ク。咨二於固實ヲ一。徐廣カ曰。固ハ一ニ作レ故ニ。韋昭カ曰ク。故 |
Z08_0064A10: | 實ハ故事之是ナル者ソ。已上松蔭顯性房ノ云ク。佛たすけ |
Z08_0064A11: | 給へと思ふ心を。第一のよき心にてあることを眞實 |
Z08_0064A12: | に思ひしる事。人ごとになきなり。已上玄義分ニ曰ク。仰キ |
Z08_0064A13: | 惟ルニ。釋迦ハ此方ヨリ發遣シ。彌陀ハ卽彼國ヨリ來迎ス。彼ニ |
Z08_0064A14: | 喚ヒ此ニ遣ル。豈容レ不レ去耶。已上聖光上人ノ曰ク。此ノ宗ノ |
Z08_0064A15: | 出離。是ヲ爲二故實ト〓一云云。●(七八)これは御臨終の時 |
Z08_0064A16: | にあそばしたる起請文の詞なり。釋尊は鶴の林に |
Z08_0064A17: | して。遺敎經をとき給へり。世人臨終に言をのこして |
Z08_0064A18: | 子孫にしめすを遺囑といふ。人のまさに死なんとす |
Z08_0064A19: | る時は。そのいふ事よしといへり。是はこれ吉水上人 |
Z08_0064A20: | 最後の敎誡なり。ながれをくまん道俗は。これを憑據 |
Z08_0064B01: | とすべし。なまざかしき風情をならふことなかれ。● |
Z08_0064B02: | (七九)念佛は如來甚深の境界にして。果海の法なれ |
Z08_0064B03: | ば。とても因分の際の智惠にてはおよびがたし。た▲ |
Z08_0064B04: | うちかたぶきて信心なれば。佛願にかなふなり。一代 |
Z08_0064B05: | の法とは。釋尊の一代とき給へる經法なり。ふるまひ |
Z08_0064B06: | とは。行迹の二字をかくなり。一向とは。ひたすらと |
Z08_0064B07: | 訓ず。た▲一筋の事なり。大明ノ琦公淨土詩ニ云ク。道ハ |
Z08_0064B08: | 也須臾モ不レ可レ離ル。愚蒙卽是レ佛ノ根基。不レ愁ヘ二耳目聰 |
Z08_0064B09: | 明ノ誤ヲ一。何ソ異ナラン二乾坤混沌ノ時ニ一。但念M(シテ)二樂邦ヲ一無レ二 |
Z08_0064B10: | 別ニ念スルヿ一。專ラ持M(シテ)二聖號ヲ一勿レ二他ヲ持スルヿ一。回M(シテ)レ頭ヲ却テ |
Z08_0064B11: | 笑フ惺々ノ漢カ。蹉二-過M(シテ)彌陀ヲ一摠テ不レ知ラ。已上○祖訓かく |
Z08_0064B12: | のごとくなるに。當世の末學は。みだりに唇吻を弄 |
Z08_0064B13: | して。智者なりとの〻しり。異をあらはして。愚民を |
Z08_0064B14: | 曜亂す。これみな一生のほどなき事をわすれて。名利 |
Z08_0064B15: | をむさぼるゆへなり。在家の人は。その內心をばしら |
Z08_0064B16: | ずして。ひとへに信用す。害をなすことふかし。よく |
Z08_0064B17: | 料簡すべし。みづからてらひ。みづからほこるは。人 |
Z08_0064B18: | 倫の醜行なり。世俗の君子。なほ愚にかへるをよしと |
Z08_0064B19: | す。孔子家語ニ。孔子ノ曰ク。聰明叡智。守ルニレ之ヲ以スレ愚ヲ。 |
Z08_0064B20: | 已上抱朴子ニ曰ク。於テレ是ニ。明哲ハ色斯而幽遁シ。高俊ハ |