浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0066A01: | おもはずに心をきばみたるは。この世ざまにもにく |
Z08_0066A02: | き事なり。いたくわろからんにつけてこそ。いと▲た |
Z08_0066A03: | すけ給へとは思ふべけれ。●(九〇)これ三心の所詮 |
Z08_0066A04: | は。たすけ玉への一念に不足なき證據なり。●(九一) |
Z08_0066A05: | 觀經の疏の文なり。玄義分ニ云ク。言ハ二南無ト一者。卽是歸 |
Z08_0066A06: | 命ナリ。亦是發願廻向之義ナリ。言ハ二阿彌陀佛ト一者。卽是レ |
Z08_0066A07: | 其ノ行ナリ。以ノ二斯ノ義ヲ一故ニ。必ス得二往生ヲ一。已上鎌倉宗要ニ |
Z08_0066A08: | 曰ク。南無ト者歸命ナリ。歸命ト者助給ヘト云意也。大師十 |
Z08_0066A09: | 念ニ有ト二十願十行一釋シ給ヘリ。所ノレ言願ト者。南無也。卽 |
Z08_0066A10: | 當ル二橫ノ三心一。又曰ク。安心ノ略說ト者。歸命ノ二字是也。起 |
Z08_0066A11: | 行ノ略說ト者。故ノ一字是也。故ニ先師ノ定言ニ。佛助給ト |
Z08_0066A12: | 被レハレ仰セ。卽是歸命也。次ニ起行ノ略說ノ故ノ一字ト者。順 |
Z08_0066A13: | 彼佛願故ノ之故字是也。已上又向阿上人の往生至要訣 |
Z08_0066A14: | は。此釋を本としてしるし給へり。こ〻に相てらし |
Z08_0066A15: | てみるべし。●(九二)陸機カ文ノ賦ニ云ク。思風發スレハ二於 |
Z08_0066A16: | 胸臆ニ一。言泉流ル二於唇齒ニ一。已上●(九三)玄義ノ記ニ云ク。 |
Z08_0066A17: | 但〓就テ二南無ニ一有レ願有レ行。口ニ唱ルハ二南無ト一是行ナリ。心ニ |
Z08_0066A18: | 念スルハ二南無ト一是願ナリ。已上●(九四)とかく罪ふかき身の |
Z08_0066A19: | たのみには。たすけ給へとのみ念ずべきなり。かこつ |
Z08_0066A20: | とは。をしてたのみをかくる事なり。柏木の卷に神佛 |
Z08_0066B01: | をも。かこたんかたなくと有。奧義抄に。夏の夜の月は |
Z08_0066B02: | ほどなくあけぬれば。あしたのまをぞかこちよせつ |
Z08_0066B03: | る。といふ歌を註して。月見るほどもなくあけぬれば。 |
Z08_0066B04: | 朝の日の出ぬるほどを。夜とおもひなしてなを月を |
Z08_0066B05: | みるなり。かこつとは。朝を夜と。をしていひなすなり |
Z08_0066B06: | と有。●(九五)機のつたなきにつけても。心のよはき |
Z08_0066B07: | につけても。世にこしたる御慈悲なれば。これにても |
Z08_0066B08: | たすかるぞとおもひてたのもしきなり。又なくとは。 |
Z08_0066B09: | 夕顏の卷の河海抄に。又なき事なりとあり。○是まで |
Z08_0066B10: | に三心の沙汰をはりぬ。是より下には。右三心につき |
Z08_0066B11: | て。邪義僻見のおこる事をいましむるなり。三段有。● |
Z08_0066B12: | (九六)圓信阿闌梨往生捷徑ニ云ク。洛陽に。ある念佛勸 |
Z08_0066B13: | 進の講席にして。念佛の人は。罪をほしいま〻につく |
Z08_0066B14: | るべし。彌陀の名號にて。罪が滅したらぬぞと談議し |
Z08_0066B15: | たりしを。愚僧まのあたり聽問せしことなり。これ淨 |
Z08_0066B16: | 土門の本願ぼこりあさましきことなり云云。●(九七) |
Z08_0066B17: | 上人の七ケ條起請文ニ云ク。つみをつくらじと。身を |
Z08_0066B18: | つ〻しみてよからんとするは。あみだ佛の願を。かろ |
Z08_0066B19: | しむるにてこそあれといふ。かやうのひが事。ゆめゆ |
Z08_0066B20: | め用べからず。いづれの處にか。阿彌陀は罪つくれと |