浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z08_0049A01: | ふと。ねがはざるとのゆへなり。(七三)さて〱。かや |
Z08_0049A02: | うにあまりたやすき事にて侍るほどに。人ごとにか |
Z08_0049A03: | へりてはまことしからず思て。さすが。往生ほどの |
Z08_0049A04: | 大事をとげむには。いかにも智惠もふかく。さとり |
Z08_0049A05: | (解)もあらん心にて申さん念佛をぞ。佛もうけひき |
Z08_0049A06: | (承引)給べき。た▲たすけ給へとばかりはかろ〲 |
Z08_0049A07: | しと。事たらぬげに思あひたり。(七四)かやうのうた |
Z08_0049A08: | がひは。げにもとおぼゆるやうなれども。もとより彌 |
Z08_0049A09: | 陀の本願は。愚智無智のもの〻ためなるに。さやうに |
Z08_0049A10: | 智惠(傍性)才學(傍修)あらん心をと。ちかはれては。 |
Z08_0049A11: | 人をわかぬ(不分)利益ありなんや。(七五)又聖道門 |
Z08_0049A12: | の心は。智惠をきはめて生死をいで。淨土門の心は。愚 |
Z08_0049A13: | 癡にかへりて往生をとぐるゆへに。(七六)自力をも |
Z08_0049A14: | て。生死をいでんみちにぞゆ〻しく。智惠才學あらん |
Z08_0049A15: | 心も。大切なるべき他力にすが(把)りて。往生をと |
Z08_0049A16: | ぐるかたにては。中々。た▲たすけ給へとおもふが。故 |
Z08_0049A17: | 實にて侍る也。(七七)されば法然上人は。(七八)念佛 |
Z08_0049A18: | を信ぜん人は。たとひ一代の法を。よくよく學すとも。 |
Z08_0049A19: | 尼入道の無智のともがらに同して。智者のふるまひ |
Z08_0049A20: | をせずして。た▲一向に念佛すべしとの給(宣)へり。 |
Z08_0049B01: | (七九)たとへば。人に身をまかせて世をわたらんも |
Z08_0049B02: | のは。いかにざへかしこ(才賢)く。心すくよか(健) |
Z08_0049B03: | なりとも。人をたのむ程にては。われはがほならんは。 |
Z08_0049B04: | にく(惡)き心なるべし。(八〇)まして。その身にとる |
Z08_0049B05: | 所なからんは。をのが程。(八一)うちおもひしりて。か |
Z08_0049B06: | かるいたづらものに。いさ〻かのなさけをも。のこさ |
Z08_0049B07: | る〻は。ありがたき心ざしかなと。おもひいれて。心 |
Z08_0049B08: | たらぬ(八二)あやまり。しい(仕出)でたる時も。(八三) |
Z08_0049B09: | うら〻かにうちむかひ。あさましとわびゐたるむざ |
Z08_0049B10: | うさ(無造作)には。よくにく(惡)かりぬべきとがなれ |
Z08_0049B11: | ども。さながら。(皆悉)つみゆるさる〻やうに。傍源語。 |
Z08_0049B12: | (八四)いまの世の衆生は。たとひ智者學生なりとも。 |
Z08_0049B13: | そのちからにて。生死をいでん事のかなはずして。 |
Z08_0049B14: | 他力本願をたのむとならば。かひなき才を。さりとも |
Z08_0049B15: | と。をのがちからありがほならんよりは。中々た▲ |
Z08_0049B16: | ひたすら。たすけ給へとにてこそあるべけれ。(八五) |
Z08_0049B17: | いはんや。戒定慧のとる所もなく。貪癡瞋のあやまり |
Z08_0049B18: | のみ。おほからん身には。いよ〱さりとてはと。うち |
Z08_0049B19: | たのみたてまつらん心にぞ。佛もよろづはおもひゆ |
Z08_0049B20: | るし給べき。(八六)されば。か〻るをろかなる身にて |