浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0048A01: | 本願のかたうど(方人)の。ことにたのもしく。おぼえ |
Z08_0048A02: | 侍るぞとよ。(五七)三に廻向發願心といふは。別の子 |
Z08_0048A03: | 細なし。(五八)た▲申す念佛を。極樂に廻向して。まめ |
Z08_0048A04: | やかに往生せんとねがふをいふ也。(五九)さてさて。 |
Z08_0048A05: | かやうにくはしく申わ(分)けば。中々事おほ(多)く |
Z08_0048A06: | して。かへりて詮なるべきところやかくれぬらん。 |
Z08_0048A07: | (六〇)た▲三心のおほすがた(大體)は。傍此詞は。歌〓にある事也。 |
Z08_0048A08: | まことしく。本願信じて。往生せばやと思へとにて侍 |
Z08_0048A09: | なり。(六二)又詮ずるところ。三心とは。本願をたの |
Z08_0048A10: | むこ〻ろにて侍れば。佛たすけ給へと。思ふ心だにも |
Z08_0048A11: | あれば。三心はおのづからその中におさまるべきな |
Z08_0048A12: | り。(六二)しかるゆへは。罪おほき身のあさましけれ |
Z08_0048A13: | ば。佛ならではいかで(爭)とおぼゆるにつけてこそ。 |
Z08_0048A14: | たすけ給へともおもはるれば。深信もこれにこもれ |
Z08_0048A15: | り。(六三)そのたすけ給へとおもふ心には。露のいつ |
Z08_0048A16: | はりもなきぞかし。それをこそ。至誠心とも申せ。(六四) |
Z08_0048A17: | このたすけ給へと思ふは。やが(頓)て廻向發願心に |
Z08_0048A18: | て侍る也。(六五)あまりにつたなくなりて。心のいたり |
Z08_0048A19: | すくなき身には。本願いしいしの事までも。猶おもひ |
Z08_0048A20: | わ(分)きがたかンめれば。それにつけても。わづかにた |
Z08_0048B01: | すけ給へとばかりこそ。おもひえつべき心にては侍 |
Z08_0048B02: | れ。(六六)これ程の事は。又たれかおもはでもあらん |
Z08_0048B03: | なれば。みな往生はしつべくこそあれ。(六七)三心の |
Z08_0048B04: | ゆくゑもしらぬ。あやしのめのわらはべ(童女)など |
Z08_0048B05: | の。往生する心づかひは。みなこのつら(列)にてこ |
Z08_0048B06: | そ侍らめ。(六八)た▲し。三心こま〲とならひしりた |
Z08_0048B07: | る人も。念佛うち申てゐたる。つねの心づかひは。た |
Z08_0048B08: | だたすけ給へと。もたる〻なンめり。(六九)されば阿 |
Z08_0048B09: | 彌陀佛をたのみたてまつりて。往生をねがふほどの |
Z08_0048B10: | 人は。智惠あるも。智惠なきも。おちつく所はみなひ |
Z08_0048B11: | としき心もち也。(七〇)さてこそ念佛の功德をう(得) |
Z08_0048B12: | る事も。往生のほい(本意)をとぐる事も。智者なれ |
Z08_0048B13: | ばとても。まさらず。愚者なればとても。おとらず。か |
Z08_0048B14: | しこきも。おろかなるも。おなじく佛のむかへにあづ |
Z08_0048B15: | かり。たかきも。いやしきも。ともに花のうてなには |
Z08_0048B16: | のぼるらめ。(七一)おほかた三心は。かならずしもなら |
Z08_0048B17: | ひておこすべき物にあらず。た▲往生だにもしたくな |
Z08_0048B18: | りぬれば。おのづからぐ(具)する事にて侍る也。(七二) |
Z08_0048B19: | されば。智者の往生せぬもあり。愚者の往生をするも |
Z08_0048B20: | あり。これみな。しるとしらざるとにはよらず。ねが |