浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0026A01: | らが機と心と行とは。あまりよはくして。畢竟往生の |
Z08_0026A02: | 用にた〻ず。本願にすがるまでなり。●(一一七)乘我 |
Z08_0026A03: | 願力の四字を。くはへ給ふは此心なり。蓮生法師。此心 |
Z08_0026A04: | をよめる歌に。おもひたつ心はかりをしるへにて。わ |
Z08_0026A05: | れとはゆかぬ道とこそきけ。是はうつの宮の蓮生なり●(一一八)た▲ |
Z08_0026A06: | 佛の願力のみにて。むまるべくもなきものが。むまる |
Z08_0026A07: | 〻事なるに。念佛宗の案內しらぬ人は。わが心のいみ |
Z08_0026A08: | じくわが行のよき力にて。往生すべしとおもへり。是 |
Z08_0026A09: | 身に應ぜぬ事なり。摠じて凡夫の身として。報土にむ |
Z08_0026A10: | まるべきいはれなし。まして極惡のわれら。いかでか |
Z08_0026A11: | のぞみをもかくべき。たとひいかなる心行ありとも。 |
Z08_0026A12: | 凡夫の分齊なにほどの事かあらん。○かひなくとは。 |
Z08_0026A13: | かひ〲しくもなき心なり。貝なしといふ詞は。竹取物語より出たり○功とは |
Z08_0026A14: | 大乘義章ニ云ク功ハ謂ク。功能ナリ。善ク有リ二資潤福利之功一。 |
Z08_0026A15: | 故ニ名テ爲レ功ト。已上○ひたすらは。ひとへにた▲とい |
Z08_0026A16: | ふ心なり。一向の字なり。○おほけなきとは。身に應 |
Z08_0026A17: | ぜぬ事なり。凡祕鈔に無應氣と書たり。慈鎭和尙の歌云云●(一一 |
Z08_0026A18: | 九)わがはげみにてする往生とおもふゆへ。安心も |
Z08_0026A19: | たらず。起行もなをたらぬやうにのみおぼえて。いつ |
Z08_0026A20: | も往生にうたがひあるなり。○す▲ろとは。河海抄に。 |
Z08_0026B01: | 無端の字なりといへり。心ならずといふ義なり。わが |
Z08_0026B02: | 身をかへり見て。何となくうたがはしきやうにおも |
Z08_0026B03: | はる〻なり。●(一二〇)西要抄ニ云ク。念佛するをば。お |
Z08_0026B04: | さなき子の。ふかきあなにおちて。父母をさけびよば |
Z08_0026B05: | ふにたとへたり。それいかによばふとも。おのがちか |
Z08_0026B06: | らにてはあがらめや。た〻きこえてたすけられん事 |
Z08_0026B07: | をのみこそおもふらめ。稱名の用意これになずらへ |
Z08_0026B08: | てしりぬべし。いかほど多念にはげむとも。おのがち |
Z08_0026B09: | からにては。かなふまじければ。た▲いくたびも佛に |
Z08_0026B10: | うれへきこへて。他力の往生をとげんとなり云云。此 |
Z08_0026B11: | 中卷にいはく。されば穢土をいで。淨土にむまれん事 |
Z08_0026B12: | は。しかしながら佛の御ちからなり〓たすけ給へとお |
Z08_0026B13: | もひて。名號をとなふるのみぞ。おのがはげむところ |
Z08_0026B14: | なり云云。○なを他力の名義細釋は。西要抄の上卷を |
Z08_0026B15: | みるべし。 |