浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0027A01: | 歸命本願鈔上末諺註 |
Z08_0027A02: | 又修行者とひていはく。(一)本願のなかなの十方衆生 |
Z08_0027A03: | といふは。惡人をもて本とすべしと。のたま(宣)はせ |
Z08_0027A04: | つれば。その機にもる〻ものは。あるまじきなンめり |
Z08_0027A05: | と。まめやか(眞成)にたのもしけれども。(二)たちか |
Z08_0027A06: | へり。又わが身のありさまをおもひと(解)くには。なを |
Z08_0027A07: | うたがひの。のこらざるにあらず。(三)そのゆへは。か |
Z08_0027A08: | やうにすがたは。黑衣なりといへども。こ〻ろは白俗 |
Z08_0027A09: | よりもにごれり。(四)あやまりて出家のかたちをかり |
Z08_0027A10: | て。渡世誑惑のはかりごと(謀)し。沙門の名をぬすみ |
Z08_0027A11: | て。名聞利養のなかだち(媒)とせり。これ無刀の大賊 |
Z08_0027A12: | (ヌスヒト)なり。劫盜(カスメヌスム)よりもつみあらんかし。(五) |
Z08_0027A13: | たま〱うちしづまる時は。又妄念こ〻ろにきほひ |
Z08_0027A14: | (競)て。念佛はた▲口ばかりなり。(六)あまりなるには。 |
Z08_0027A15: | 人はよも傍推量の詞これ程もあらじ。わが身ひとつのくせ |
Z08_0027A16: | (癖)にこそ傍歌の詞とまで。おぼゆるにも。か〻らん身の |
Z08_0027A17: | ありさま(行狀)をば。すこしひきかへてこそ。十方衆 |
Z08_0027A18: | 生のうちにも。いらめとおぼゆるは。ひがこと(僻事)に |
Z08_0027A19: | 侍るをやといへば。(七)老僧のいはく。あな。事あたら |
Z08_0027B01: | (新)し。(八)ひたすらにごりにそみたるよりも。中々な |
Z08_0027B02: | まうかびでは。(イにては)つみおほき事ぞとはしり給はず |
Z08_0027B03: | や。(九)されば在家の十惡は。下品上生にむまるれど |
Z08_0027B04: | も。出家の破戒は。下品中生とこそとかれたれ。(一〇) |
Z08_0027B05: | すべ(摠)てこのごろのありさまは。世もをしなべ |
Z08_0027B06: | (押靡)てにごり。人もおなじくつたなければ。よき(善人) |
Z08_0027B07: | もあし(惡人)きも。た▲いふと。いはぬとにてこそあ |
Z08_0027B08: | れ。こ〻ろのうちをくらべたらば。いく程のけぢめ |
Z08_0027B09: | (驗。結目)侍らじかし。(一一)たとへば。それはともかく |
Z08_0027B10: | もあれ。(一二)まづこの阿彌陀佛を。諸佛にこえ(超) |
Z08_0027B11: | て。たと(貴)ひたてまつる事は。何ゆへとかしりたま |
Z08_0027B12: | ふ。(一三)さしもの十惡五逆の機を。わづかに一念十 |
Z08_0027B13: | 念の功にて。たすけ給ふ事の。ならびなき。かたよりこ |
Z08_0027B14: | そ。超世のほまれ(譽)をもあげて。一代の敎にもほめ |
Z08_0027B15: | (讚)られ給ふ事にて侍れ。(一四)されば。その本願のお |
Z08_0027B16: | こり(興起)は。三世の諸佛にもすてられ。十方の淨土 |
Z08_0027B17: | にも入られぬもの〻。惡をおこ(起)し。つみをつく |
Z08_0027B18: | (造)る事は。あら(暴)き風よりもはげしく。と(駛)き |
Z08_0027B19: | 雨よりもしげくして。さだめて惡道におちなんとす |
Z08_0027B20: | るをあはれまんがために。(一五)こ〻ろを五劫の思 |