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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0019A01: とよむなり。枕草子云。とより見ん人はおかしう。內
Z08_0019A02: にいかなる人のあらんとおもひぬへし。春曙抄四又これは
Z08_0019A03: 伊勢物語に。と見かう見といへる。と見の義にて。左右
Z08_0019A04: をきつと見たることなるべし。此との字。上に付ても
Z08_0019A05: きこゆれども。上へ付るがよきなり。●(四五)さいは
Z08_0019A06: いの事を。をもひいだせるなり。○是は時なり。●(四六)
Z08_0019A07: けふとは十五日なるべし。○感應とは。衆生の方より
Z08_0019A08: 佛を念ずる心を感といふなり。佛の御方より。その心
Z08_0019A09: をあはれみ。利益をほどこし給ふを應といふなり。後
Z08_0019A10: 中書王。極樂。雖一念兮必感應。喩
Z08_0019A11: 巨海ルニ涓露本朝文粹第十二宗鏡錄。感能感
Z08_0019A12: 衆生。應是所應屬己上○十齋日に十佛を
Z08_0019A13: 念する事あり。十五日は彌陀にあたれり云云。○又三
Z08_0019A14: 十日に三十佛を配當する事有。その時も彌陀は十五
Z08_0019A15: 日なり。(キノ)(タタ)()の勸學會の詩序にも。念スルヿ極樂之
Z08_0019A16: 一夜。山月正ナリとあり。●(四七)是は處なり。
Z08_0019A17: ●(四八)眞如堂ちかき事なり。利物偏增とは。本尊の
Z08_0019A18: 利生。日を逐てしげき心なり。西方要決。末法
Z08_0019A19: ニハ。餘經悉M(シテ)。彌陀一敎ノミ。利スルヿ
Z08_0019A20: 已上この時は眞如堂。神樂岡にあり。今その地を本眞如
Z08_0019B01: 堂といふ。吉田山の東の方なり。北白河よりちかし。●
Z08_0019B02: (四九)わざとまいるが本儀なるに。此つゐでといへ
Z08_0019B03: ば。疎略に似て心にか〻るとなり。●(五〇)をろそか
Z08_0019B04: ならぬ心なり。北白河まで來給ふ事も。往〓の道をた
Z08_0019B05: だし給はんがためなり。●(五一)眞如堂は。一條院の
Z08_0019B06: 御宇。正曆三年に戒算上人の開基なり。鈴聲山眞正極
Z08_0019B07: 樂寺となづけて。慈覺大師の御作。彌陀の靈像を安置
Z08_0019B08: し給へり。此本尊の靈驗。他にことなる事は。世間その
Z08_0019B09: かくれなし。なを緣起にあればゆきて見るべし。通夜
Z08_0019B10: とは。夜もすがら佛前にして。念誦などする事なり。●
Z08_0019B11: (五二)後漢書來歙傳。臣夜人定後。已上○亥
Z08_0019B12: の時を人定といへば。四つの頃か。日本紀に人定をゐ
Z08_0019B13: のときと點せり。○程は時分なり。○には。やすめ字な
Z08_0019B14: り。●(五三)はれたるそらの嵐の。軒端をはらふが。自
Z08_0019B15: 然に念佛のこゑをそふるなり。あかき月の御堂の棟
Z08_0019B16: をてらすが。佛の光明をますに似たるさまなり。藤原
Z08_0019B17: 爲雅詩序。夜宿レハ極浦之波。靑嵐吹兮皓月
Z08_0019B18: 靑嵐は晴嵐と同し。皓韻會潔白也。○いらかとは。和名鈔。釋名
Z08_0019B19: 屋脊和名伊良賀○そらとはおしはかりていふ
Z08_0019B20: なり。念佛衆生。攝取不捨は。觀經の要文なり云云。●

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