浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0014A01: | ひとりとは。佛敎八萬四千の中に。た〻本願の一門を |
Z08_0014A02: | えらびとる詞なり。○常沒とは。つねにしづむと訓す。 |
Z08_0014A03: | 過去遠々より。つねに生死の海にしづみ。今なを三學 |
Z08_0014A04: | にたへずして。出離の緣なきものを。常沒の機といふ。 |
Z08_0014A05: | この字も大師の䟽に有。父子相迎の上に引たり。槃𣵀經ニ |
Z08_0014A06: | 云。身口意ノ業重カ故ニ。沉沒メ不レ能レ得コトレ出ヲ。是ヲ名二常沒ト一。如二恆河中ノ大魚ノ一云云。○すくふとは。救 |
Z08_0014A07: | の字なり。○敎網とはをしへのあみと訓ず。衆生を魚 |
Z08_0014A08: | にたとへ。佛のをしへを。あみにたとへていへるなり。 |
Z08_0014A09: | 花嚴經ニ云ク。張テ二佛敎ノ網一。亙タシ二法界ノ海ニ一漉テ二人天ノ |
Z08_0014A10: | 魚ヲ一。置クト二𣵀槃ノ岸ニ一。資特記ニ云ク。敎網トハ。通シテ指ス二三 |
Z08_0014A11: | 藏ヲ一。詮相非ルヿレ一如二網ノ目ノ一焉。○それ千鈞をかろし |
Z08_0014A12: | とするは。鳥獲が力なり。常沒をすくふことは。此敎 |
Z08_0014A13: | のすぐれたるゆへなり。了譽上人ノ云ク。夫レ高山ノ水ハ。 |
Z08_0014A14: | 有下降ル二深谷ニ一之能上。最頂ノ敎ハ。有下度スル二下機ヲ一之功上云云。 |
Z08_0014A15: | 又これ機敎相應の得をあげて。彌陀の一門を讚歎す |
Z08_0014A16: | るなり。●(四)常沒をすくふゆへをあかす。○本師と |
Z08_0014A17: | は。次の句の末世に對す。彌陀を本師といふ例は。千 |
Z08_0014A18: | 手經に有。○五劫思惟とは。阿彌陀如來いまだ佛に成 |
Z08_0014A19: | 玉はざりしむかし。法藏比丘と申し〻時。平等の慈悲 |
Z08_0014A20: | にもよほされて。十方の衆生をみちびかん願をおこ |
Z08_0014B01: | し。世自在王佛の御前にして。四十八箇の誓をたて給 |
Z08_0014B02: | へり。その趣。未曾有の大願なれば。大悲の肝膽をく |
Z08_0014B03: | だき給ふこと。一期の案にあらず。年序そらにつもり |
Z08_0014B04: | て。五劫の間思惟し給へり。大經の說劫とは。天竺の語に |
Z08_0014B05: | て具には劫波といふ。此には時分と翻す。その一劫と |
Z08_0014B06: | 云は。幾萬億歲の數もしらず久しき間なり。○思惟 |
Z08_0014B07: | とは。心に觀する義なり。惟は字書云。思コト之專ナル也。 |
Z08_0014B08: | ○その思惟の方便。よくたくみなるを善巧といふ。佛 |
Z08_0014B09: | 地論ニ云。智能ク起M(シテ)二身語心ノ化ヲ一。稱二-順スルカ機宜ニ一故ニ。云二 |
Z08_0014B10: | 善巧ト一。已上●(五)彌陀の本願のみ。末代の衆生の得度 |
Z08_0014B11: | すべき法門ぞと也。○九品とは。上中下の機。人々往 |
Z08_0014B12: | 生の分ありとの心也。○方便とは。當世を利益するに |
Z08_0014B13: | は。此法よく便宜を得との義なり。止觀ニ云ク。方便ハ |
Z08_0014B14: | 名ク二善巧ナルニ一。已上慈恩ノ云ク。利スルレ物ヲ有ルヲレ則曰レ方ト。隨テレ |
Z08_0014B15: | 時ニ而濟ヲ名レ便ト。已上○これ時機相應の德をあぐる |
Z08_0014B16: | 也。坐禪三昧經ニ云ク。行者。定心ニ求ルレ道ヲ時ハ。常ニ當レ觀二- |
Z08_0014B17: | 察ス時ト方便トヲ一。已上安樂集ニ云ク。若シ敎赴ケハ二時機ニ一。易クレ |
Z08_0014B18: | 修シ易シレ悟シ。若シ機敎時ニ乖スレハ。難クレ修シ難シレ入リ。已上往 |
Z08_0014B19: | 生十因ニ云ク。夫レ如來ノ說敎ハ。潤益有リレ時。釋迦ノ末世ニ。 |
Z08_0014B20: | 彌陀施スレ化ヲ。幸生タリ二此時一。知ンヌ二機緣ノ熟スルヿヲ一。念佛往 |