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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

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巻_頁段行 本文
Z08_0014A01: ひとりとは。佛敎八萬四千の中に。た〻本願の一門を
Z08_0014A02: えらびとる詞なり。○常沒とは。つねにしづむと訓す。
Z08_0014A03: 過去遠々より。つねに生死の海にしづみ。今なを三學
Z08_0014A04: にたへずして。出離の緣なきものを。常沒の機といふ。
Z08_0014A05: この字も大師の䟽に有。父子相迎の上に引たり。槃𣵀經
Z08_0014A06: 云。身口意業重。沉沒コト。是常沒。如恆河中大魚云云。○すくふとは。救
Z08_0014A07: の字なり。○敎網とはをしへのあみと訓ず。衆生を魚
Z08_0014A08: にたとへ。佛のをしへを。あみにたとへていへるなり。
Z08_0014A09: 花嚴經。張佛敎。亙タシ法界(スクフ)人天
Z08_0014A10: 。置クト𣵀槃。資特記。敎網トハ。通シテ
Z08_0014A11: 。詮相非ルヿ一如焉。○それ千(ギン)をかろし
Z08_0014A12: とするは。鳥獲が力なり。常沒をすくふことは。此敎
Z08_0014A13: のすぐれたるゆへなり。了譽上人。夫高山
Z08_0014A14: 深谷之能。最頂。有スル下機之功云云。
Z08_0014A15: 又これ機敎相應の得をあげて。彌陀の一門を讚歎す
Z08_0014A16: るなり。●(四)常沒をすくふゆへをあかす。○本師と
Z08_0014A17: は。次の句の末世に對す。彌陀を本師といふ例は。千
Z08_0014A18: 手經に有。○五劫思惟とは。阿彌陀如來いまだ佛に成
Z08_0014A19: 玉はざりしむかし。法藏比丘と申し〻時。平等の慈悲
Z08_0014A20: にもよほされて。十方の衆生をみちびかん願をおこ
Z08_0014B01: し。世自在王佛の御前にして。四十八箇の誓をたて給
Z08_0014B02: へり。その趣。未曾有の大願なれば。大悲の肝膽をく
Z08_0014B03: だき給ふこと。一期の案にあらず。年序そらにつもり
Z08_0014B04: て。五劫の間思惟し給へり。大經の說劫とは。天竺の語に
Z08_0014B05: て具には劫波といふ。此には時分と翻す。その一劫と
Z08_0014B06: 云は。幾萬億歲の數もしらず久しき間なり。○思惟
Z08_0014B07: とは。心に觀する義なり。惟は字書云。思コト之專ナル也。
Z08_0014B08: ○その思惟の方便。よくたくみなるを善巧といふ。佛
Z08_0014B09: 地論云。智能M(シテ)身語心。稱-順スルカ機宜。云
Z08_0014B10: 善巧已上●(五)彌陀の本願のみ。末代の衆生の得度
Z08_0014B11: すべき法門ぞと也。○九品とは。上中下の機。人々往
Z08_0014B12: 生の分ありとの心也。○方便とは。當世を利益するに
Z08_0014B13: は。此法よく便宜を得との義なり。止觀。方便
Z08_0014B14: 善巧ナルニ已上慈恩。利スルルヲ則曰。隨
Z08_0014B15: 而濟便已上○これ時機相應の德をあぐる
Z08_0014B16: 也。坐禪三昧經。行者。定心。常-
Z08_0014B17: 方便トヲ已上安樂集。若敎赴ケハ時機。易
Z08_0014B18: 。若機敎時スレハ。難已上
Z08_0014B19: 生十因。夫如來說敎。潤益有時。釋迦末世
Z08_0014B20: 彌陀施。幸生タリ此時。知ンヌ機緣スルヿヲ。念佛往

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