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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0012A01: は機をきらはぬ法なめりと。たのもしけれども。
Z08_0012A02: (九五)僧那を始心にむすび。(九六)妙觀を十乘にこ
Z08_0012A03: (凝)らさしむるにいたりては。(九七)發心修行。さら
Z08_0012A04: に下根のをよぶ所にあらざるがゆへに。(九八)つゐ
Z08_0012A05: には機をえらぶ敎になりぬ。(九九)されば無始生死
Z08_0012A06: よりこのかた。さすが佛敎にもこそあひつらめども。
Z08_0012A07: (一〇〇)いま〻で。なを流轉の凡夫たる事は。機根は
Z08_0012A08: つたなくして。心行のをよびがたきによるなり。
Z08_0012A09: (一〇一)しかれば自力の出離は。つや〱(一切)思た
Z08_0012A10: えたることにて侍るに。(一〇二)いまこの淨土の敎門
Z08_0012A11: 彌陀の本願をも(以)て。我らが分にあて(充)てみれ
Z08_0012A12: ば。(一〇三)すでに極惡をすて給はぬうへは。もとよ
Z08_0012A13: りつくろはずしてその機なり。(一〇四)又機のつたな
Z08_0012A14: きにつけては。をのづからたすけ給へと。おもふ心も
Z08_0012A15: をこりぬべし。(一〇五)心にたすけ給へとだにもおも
Z08_0012A16: へば。はげま(勵)ざるに申さる〻念佛なり。(一〇六)は
Z08_0012A17: かなきこの世さまにつけてだにも。なげきある時の
Z08_0012A18: まぎらは(紛)しには。南無阿彌陀佛とこそいはるめ
Z08_0012A19: れば。(一〇七)まして後の身を。いか▲とおもはん人
Z08_0012A20: は。わすれても。となへつべくこそ侍れ。(一〇八)され
Z08_0012B01: ばこの機と心と行とにてぞ。我らが生死をいでん事
Z08_0012B02: は。むげ(無下)にたやすくなり侍りぬる。(一〇九)さる
Z08_0012B03: には又。さしもたやすかるべくもなき往生を。これ程
Z08_0012B04: のぶんにてはいか▲とぞ。かへりてうたがはれぬべ
Z08_0012B05: けれども。(一一〇)もし生れずば正覺をとらじど。ちか
Z08_0012B06: ひ給ひぬるうへは。ゆめ〱卑下すべくもなかりけ
Z08_0012B07: り。(一一一)をのが力にて。生るればこそ。身の程をもか
Z08_0012B08: へりみめ。佛の願力によるべからんには。いかさまに
Z08_0012B09: てこそかなはめなどは。おもふまじき事ぞかし。(一一
Z08_0012B10: 二)されば善導大師の。(一一三)若我成佛。十方衆生。願
Z08_0012B11: 生我國。稱我名號。下至十聲。乘我願力。若不生者。不
Z08_0012B12: 取正覺と釋し給ひて。(一一四)乘我願力のことばをそ
Z08_0012B13: へられたる事は。(一一五)これ程につたなき機の。わづ
Z08_0012B14: かなる心行は。さらに物のよう(用)にた(立)つべく
Z08_0012B15: もなき。よは〱しさなれども。(一一六)さしもねんご
Z08_0012B16: ろに。むまれしめんとおぼしめす。佛の御心ざしの力
Z08_0012B17: に。とりたてられて。その本願に乘ずるがゆへに。往
Z08_0012B18: 生するなりといふ事を。あらはさんとなるべし。(一一
Z08_0012B19: 七)しかるをよのつねの人のおもはくは。かひなく。
Z08_0012B20: 無甲斐)た▲をの(己)が心ざし。をの(己)が行の功に

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