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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0011A01: あれども。この念佛の一行をもて(以)。決定往生すべ
Z08_0011A02: きことはり。いかなるゆへとしらず。(六四)もとより
Z08_0011A03: 一文不知の身なるうへ。(六五)はか〲しく。知識のを
Z08_0011A04: しへをうけたまはらねば。(六六)つや〱(一切)たち
Z08_0011A05: いらぬ事に侍り。(六七)不審までもをよばぬ。うゐ〱
Z08_0011A06: し(初敷)さなれば。いづくをいかにと問ひ申すべしと
Z08_0011A07: もおぼえず。(六八)た▲をろかなる心をくみて。き〻
Z08_0011A08: やすきやうに。をしへ給ひなんやといへば。(六九)老僧
Z08_0011A09: のいはく。さやうの事は智者のわざ(行)なり。さらに
Z08_0011A10: 愚老がわきまふべき所にあらず。(七〇)申さむにつ
Z08_0011A11: けて。佛の知見もは▲かりあり。(七一)人のあざけ(嘲)
Z08_0011A12: りいか▲さ(去)らん。(七二)そのうへ。をのづから(自然)
Z08_0011A13: (七三)き〻をきたりし事も。ちかごろは。いたく(甚)
Z08_0011A14: おいにほれ(惘)て。みなわすれぬらん。(七四)されど
Z08_0011A15: も。たづね給ふ所のさりがたければ。心にのこりたら
Z08_0011A16: ん事のかたはし(片端)を。いさ〻かきこえ侍らむ。
Z08_0011A17: (七五)いにしへ智者たちの申されしは。(七六)念佛
Z08_0011A18: して極樂に往生すといふ事。さらに(ベチ)の子細なし。
Z08_0011A19: (七七)いかなる惡人なれども。機たすけ給へと思て。
Z08_0011A20: 心南無阿彌陀佛と〻なふれば。行佛の本願に乘
Z08_0011B01: じて。必うまる〻也。(七八)その願といふは。(七九)四
Z08_0011B02: 十八願の中の。第十八の願に。(八〇)設我得佛。十方衆
Z08_0011B03: 生。至心信樂。欲生我國。乃至十念。若不生者。不取正覺
Z08_0011B04: と說きたまへるなり。(八一)この願をくはしく心う(得)
Z08_0011B05: るに。機につきて心行あり。佛につきて誓願あるべし。
Z08_0011B06: (八二)そのなかに十方衆生といふは。まづ往生の機類
Z08_0011B07: をさだむ。(八三)善人も惡人も。ともにおさまるべけ
Z08_0011B08: れども。大悲のほい(本意)をはか(計)るに。もとも(最)
Z08_0011B09: 惡人をさきとすべし。(八四)至心信樂。欲生我國とい
Z08_0011B10: ふは。往生の安心をあかす。(八五)くはしくいは▲。三
Z08_0011B11: 心あるべし。(八六)要をと(取)れば。たすけ給へとお
Z08_0011B12: もふ心にた(足)りぬ。(八七)乃至十念といふは。往生
Z08_0011B13: の起行をとく。彌陀の名號をとなへんこと。十こゑ一
Z08_0011B14: こゑまでもすてじとなり。(八八)若不生者。不取正覺
Z08_0011B15: といふは。誓願をた(建)つ。その念佛せんもの生るま
Z08_0011B16: じくば。われ正覺をとらじといふなり。(八九)おほよ
Z08_0011B17: そ。(大凡)(九〇)いづれの敎にも。(九一)機と心と行と
Z08_0011B18: の三をあきらむるが。諸宗の大事にては侍るなるに。
Z08_0011B19: (九二)かの聖道門のなかに。(九三)五逆の調達をさし
Z08_0011B20: て。三菩提の記莂をさづけしがごときは。(九四)まづ

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